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2010年1月

ケーキーを焼くのはいつ?

開院からずっと一緒に仕事をしている動物看護士がいます。
彼女にしかできない仕事も多いので、いつも多忙です。
申し訳ないことに、休みも少ない中で本当によくやってくれます。
その彼女に驚かされるのは、お菓子作りです。

いろいろなお菓子を作ってくれるのですが、今回はこれでした。
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おいしいそうな焼き色です。
オレオを砕いた生地の上にあるチーズケーキ。
コーヒーとともに頂きました。

でも、この多忙な彼女はいつこのお菓子を焼いているのか。

聞いてみますと、夜に帰ってからなのだそうです。
動物病院の業務が終わり、早くに帰宅できたとしても、夜の9時30分くらい。
遅いともっと遅くなります。
その後でケーキを焼く時間はないように思えるのですが、慣れと手際なのでしょうか。

感謝、感謝です。

ジェネリック・ドッグフード皮膚症

ご紹介したい皮膚病があります。
最新の日本獣医皮膚科学会の学会誌に掲載されています。

ワンちゃんの皮膚病で、食餌による代表的なものは食物アレルギーです。
食物アレルギーは痒みが強く、症状はアトピー性皮膚炎とも似ていますし、血液検査だけで簡単に診断ができるわけではないので、治療や確定診断が難しい皮膚病の一つだと思います。
食物アレルギーであれば、アレルギーを起こす食べものを与えずに痒みや皮膚病が治れば成功です。
しかし、このアレルギーを起こす食べもの探しは実はとても難しいものです。

最初からかなり脱線しましたが、ご紹介したい皮膚病は食物アレルギーせはありません。
ジェネリック・ドッグフード皮膚症です。

本題の前に、聞き慣れない言葉を一つ。
それは、ジェネリック・ドッグフードです。
よくジェネリック医薬品というものがありますね。
いわゆる、ペットショップ自家製ドッグフードです。
これに対して、有名メーカーから販売されているものをブランドドッグフードと呼ぶことがあります。

市販のドッグフード(ブランドドッグフード)ではなく、いろいろなペットショップで自家製ドッグフードを販売することろもありますね。
実はこの中に本来ワンちゃんが必要とする栄養素が足りない商品があったようで、それを食べ続けていたために栄養素不足が起こり、皮膚に異常が現れたというものです。

その足りなかったものとは、亜鉛と銅です。
意外な物が意外な症状をつくるものです。
その皮膚症状とは次のようなものです。

・口のまわりにフケのようなもの(鱗屑)ができる
・口のまわりに湿疹ができる
・肉球の皮が薄くむける
・肛門周囲の皮膚がうすくむける
・かゆみはない

ジェネリック・ドッグフードをお使いの方だけではなく、ご自身で手作りご飯を与えていらっしゃる方もご心配かもしれませんね。

(当然のことですが、全てのジェネリック・ドッグフードに問題があるわけではありませんし、手作りご飯でも全く問題がない場合も多いと思います。
安全で選ばれた原料でつくられた良品も多いと思います。)

この皮膚症の解決策は、食事の改善です。
適切なサプリメントを使うこともよい方法です。
このような症状が出ても、その症状だけでは確定診断にはなりません。
食事の栄養に不安をお持ちの場合には、ご相談くださいね。

おいしいお食事に、十分な栄養を。

IR(インターベンショナル・ラジオロジー)

動物の医療はいろいろな分野で進んでいますが、この分野もまた然りです。
IRと言いますと、インベスター・リレーションズを思われるかもしれませんが、今回はインターベンショナル・ラジオロジーのことです。

よく、ヒトの医療で心臓の血管に異常が起こった場合、足などの血管から細いカテーテルと言われる管を通して心臓の異常な血管まで持って行き、血栓などの治療をする様子がテレビなどで紹介されることがあります。
まさにあのようなものです。
手術で胸を開いて心臓を直接触って手術をするのではなく、足に少しだけ切開をしてそこから細いカテーテルを挿入して治療しますので、回復が早いのです。

今回はどうぶつで行われていますIRについて勉強するためにセミナーに参加してきました。
なかなか当院の休診日(水曜日)にセミナーがないので、新しい情報を取り入れる機会が少なく、学会情報を少し時間差で受け取ることが多かったのですが、今回は直接話を聞くことができました。
お話を伺ったのはニューヨークの動物病院で活躍されているアメリカ人獣医師です。

(どうぶつでこの手技を行うには、様々な設備が必要ですので、残念ながら現在の当院ではできません。しかし、ニーズを把握して、将来的にはできるようにしたいものです。)
この手技をご提案して、ご希望の場合には、ご不便をおかけすることになりますが、大学病院をご紹介させていただくことになります。

さて、このIRですが、どのようなことに使われているのでしょうか。
どうぶつの医療分野でも、ヒトの医療と同じようにいろいろと応用されています。
1 血管に物を詰める
2 気管虚脱という病気の治療
3 手術ができない腫瘍の抗ガン療法
などなど。

血管に物を詰めるのは、例えば生まれながらに異常な血管があり、それがもとで健康に過ごせない場合、通常は手術でこの血管を糸やリングで閉じてしまうという方法がとられます。
そのような方法に代わり、足などの血管から細い器具を体に入れてその血管に栓をする方法があります。大動脈ステントと血栓形成コイルというものを使う方法です。

また、癌の治療の基本は手術で取り除くことですが、取り除けないものには抗ガン剤を用いることがあります。この中で、カテーテルをガンに栄養を運んでいる血管まで持って行き、そこから抗ガン剤を注射します。さらには、このガンに血液を運んでいる血管に栓をすることで、ガンを兵糧攻めにするという方法です。

困難な病気に対して、いろいろな選択肢を持つことで、より望みをもって治療ができます。
よいセミナーでした。

小肥満

昨年末にフジテレビのめざましテレビの出演依頼がありました。
ちょっと興味があったのですが、予定が合わず、残念ながらお断りしました。
その番組内容は、ワンちゃんの肥満が問題となっているとのことで、世田谷区の公園で肥満度チェックをするというものでした。
出演依頼では、2日間かけて公園で体脂肪率を測定するというもの。
それだけ関心が高いのだと思いました。
(当院ではワンちゃんの体脂肪率を測定することができます。ご希望の方はご相談してくださいね。)

僕自身ちょっと体重が気になり、昨年後半に体重を落としました。
年末年始にもしっかりとリバウンドなく維持し、よかったよかったと安心していましたが、とても気になる記事を読みました。

その記事はどうぶつのことではなく、人のことです。
痩せても大肥満が小肥満になるだけの場合が多いと言うのです。
食事制限だけの減量の場合、脂肪も落ちるが、筋肉も落ちるので、しっかりと運動をして筋肉をつけなければならない。
ショックでした。でも、確かにそうかも知れない。

・・・当然のことですが、ここに難しさを感じました。

僕は食事制限は結構簡単にすることができます。
あまりよい事ではないことを承知していますが、手っ取り早い方法です。
しかし運動がなかなかできません。
水泳も好きですし、昔は冬と言えば雪山にでかけてスキーやスノーボードでした。
短距離でしたら走るのも好きです。
が、しかし、今はなかなか難しい。

そこで、ネコちゃんの飼い主さんから、通勤に歩くのがよい!と言われました。
改めて運動をするとなるとなかなか続きません。
今通勤には自転車を使っていますが、これを徒歩にすればよいと勧められました。
これなら毎日のことです。

体力作りも努力しなければ!
よーし!と意気込んでみましたよ。

健康診断

最近のことですが、健康診断で異常がみつかることが続きました。
そのような予想しなかった結果が出る場合、確かに多くの子がやや高齢ですが、健康診断をするまで、外から見て異常な様子はありませんでした。

1匹目は大型犬です。
お引越をされたのでしばらくお会いしていませんでしたが、今は近くのご実家にいるとのことで、2年ぶりの再会でした。
遠距離を旅させるご予定とのことでした。
ご旅行は3カ月ほど後ではありますが、一度旅行前の健康診断をとご希望されました。
久しぶりの再会で、いろいろとお話をしたのも束の間、問診をした後で触診をしていますとお腹に腫れたものがあります。
大人の拳ほどの大きさがあります。
脾臓にできた腫瘍です。
血液検査をしましたが。やはり脾臓の腫瘍のようで、軽い貧血がみられました。

飼い主さんは老犬だからと、はじめから何か見つかるかもしれないとご心配をされていました。
ご旅行をお考えでしたので、何もなければ一緒に楽しめたはずです。
手術をするにしても、しないにしても、3カ月後のご旅行は難しそうです。
その頃は、できるだけお部屋で療養が必要でしょう。
とても残念です。

これまでにも別の大型の老犬介護を何年もされた飼い主さんです。
どのようにお世話すればワンちゃんが快適なのかはよくご存じです。
また介護が始まるのかなと笑顔でお話しされます。
少しでも役に立つお手伝いができればと思っています。


もう1匹は小型犬です。ある程度高齢です。
健康診断をすることになりました。
特別食欲が落ちているわけでもなく、外からわかる異常はありません。
しかし、血液検査の結果は慢性腎不全と出ています。
結果をお伝えすると、確かに元気は前ほどではなかったと言うことでした。

慢性腎不全は治る病気ではありません。
進行の早さはそれぞれですが、治療なしではよくなることもありません。

集中的に治療をしてみることになりました。
数日入院して、次ぎに通院に切り替えて治療をしています。
飼い主さんは、だんだんと元気になる様子を喜んでいらっしゃいます。

僕自身もそうなのですが、元気だからと健康を過信しているのもよくなさそうです。
もしかしたらと体と慎重に向き合って、どこにも異常がないことを確かめたり、また早期であれば治る病気が多いことに期待したりしながら、健康診断を受けることも大切です。

そろそろ僕も年に1度の健康診断。
自身ではここ数年の中では最も健康状態はよいと思っていますが、
今年はどのような結果がでるかドキドキしながら臨みます。

オモチャの魅力

今日は昨日よりも気温は高かったようですが、風が強かったですね。
電車も遅れるほどだったので、地域によっては大変だったと思います。
九州の実家から、すっかり雪化粧をした庭の写真がメールに添付されて送って来ました。
まだまだ厳しい冬が続きそうです。


昨日は整形外科の手術をしましたが、それ以外の手術では異物を胃から取り出す手術もしました。

たまたまディズニーのサイトで、「ボルト」という白いワンコが出てくる映画の宣伝用ムービーを見たのですが、このワンコの描写が大変にリアルで驚きました。特に、ニンジンのオモチャで遊ぶシーンは、うまくワンコの特徴を捉えているな〜と見入ってしまいました。
それくらいにワンコにはオモチャが大好きな子が多いと思います。

そして、昨日手術をした子も遊んでいるときに思わずオモチャを飲み込んでしまったようです。
健康管理やしつけをしっかりとされている飼い主さんです。
いつも大変に明るい方で、今回も暗い様子ではなかったのですが、さすがにショックだったはずです。
本当に大切にしていらしゃいますので、表情とは違う心の内はよくわかります。
でも、ご自身はきっと「飼い主の不注意」と思われているのだと思います。
そうではないことは僕がよくわかりますよ。
どんなに注意をしても避けられないことはあるのですから。

吐かせる処置ではこのオモチャは出てきません。
レントゲンで見ると、とても内視鏡で引っ張り出せる大きさでもありまんでした。
いつもこういうときに大活躍する内視鏡ですが、今回は出番がありません。

手術開始からすぐに胃の中のオモチャを取り出せました。
飼い主さんが、こんな物ということで見せていただいた別のオモチャがあるのですが、胃の中から出てきたのはそのオモチャの色違いでした。

お腹を閉じて手術が終わると5分もしないうちに目を覚ましてくれました。
治療、食事管理、そして術後の検査があるので少しの間入院です。

手術翌日の今日はすこぶる元気です。
食事の制限があるので、お腹いっぱいのご飯はもう少しお預けですが。

ちなみに、昨日の整形外科の手術をした小型のワンちゃんは食欲もあり、同じように元気です。

お家に帰れる日はすぐだからね。confident

膝蓋骨脱臼

初雪snowだったようですね。
今日の午後はみっちり手術でした。
初雪を見ることができませんでしたthink

今日はじめの手術の子は、以前に前足を骨折したトイ犬種(小型犬)です。
前足の骨折の時はプレートとスクリューを使った手術をしました。
その手術から3カ月が過ぎ、前足の骨折は完治していますので、前から気になっていた膝の手術をすることにしました。

いわゆる膝のお皿が脱臼する症状が見られます。
トイ犬種にはよく見られる異常です。
膝のお皿を膝蓋骨(しつがいこつ)と呼びますが、診断名は膝蓋骨内方脱臼です。

この膝蓋骨は正常では太ももの骨の膝側の端にある溝(滑車溝:かっしゃこう)に収まっています。
それがいろいろな理由から溝から出て脱臼してしまいます。

一応、脱臼の程度をグレードと呼ばれる分類で分けますが、この分け方には主観が多く入るために、分類法そのものに疑問の声もあります。
一般的ですので、今回もこの分類をしてみますと、グレード4という最も状態の悪いものでした。
これは、常に脱臼を起こしていて、ヒトの手や指で簡単に脱臼を治すことができず、手術をする必要がある状態です。

飼い主さんは、脱臼を起こしている足を挙げたまま歩く姿に心を痛めていらっしゃいました。
まだ成長期でもありますので、できるだけ早くに正しい状態に治すことを希望されていました。

手術は予定よりも早めに終わり、それでもかなり厳しい手術でしたが、うまく行ったと思います。
1週間は足を使わないようにしなければなりませんし、痛みがないようにしなければなりません。

早めに退院できるように、もう少し安静が必要です。
小さな子。
これから長く使う足です。
ゆっくりと休めて、しっかりと治りますようにconfident

猫下部尿路疾患

まだまだ寒い日が続きそうですね。
寒さにはいくらか強いワンちゃんも、飼い主さんからヒーターの前やコタツの中がお気に入りというお話を聞くことがあります。
♪雪やコンコン、あられやコンコン〜♪にあります、犬は喜び庭駆け回り〜は少なくなったのかもしれませんね。


このような寒い時期に多くなるのが、ネコちゃんの下部尿路疾患です。
原因は一般に特発性とされます。
特発性とは原因不明ということになります。

家族性、食事性、細菌性膀胱炎も原因になることがあります。
尿検査では小さな結晶物が見られることが多いです。
圧倒的に多いのはストラバイト結晶です。
血尿も多い異常です。
治療が終わってからの長期管理には食事療法が推奨されます。

いろいろな症状がありますが、飼い主さんが気付かれるのはトイレの様子の変化です。
長い間トイレにいるとか、トイレ以外で用を足そうとしたりとか。
トイレに行ったと思うと、また行ったり、でもあまり出ていなかったりとか。
長い時間トイレにいる様子をご覧になって、「便秘かしら?」と思われる場合もあります。

ここで大切なことは、尿が少しは出ているのか、全く出ていないのかということです。
少しは出ている場合は食欲も普通にあることもありますし、トイレ以外では変わった様子がみられないこともあります。
しかしながら、全く出ていない場合には「尿道閉塞」を起こしていることもあります。
この場合は、トイレで鳴いたり、元気がなくなったりといった変化も見られます。
できるだけ早くに治療を開始するのがよい状態です。

外から見てわかる変化が多いですので、お気付きのことがございましたら一度ご相談されるとよいと思います。

これからも寒さが続きます。
お大事にしてくださいね。

あの頃

久しぶりに東京スカイツリーを見ました。
どんどん伸びますねhappy01
昨年の12月25日で254mあるのだそうです。
→東京スカイツリーのホームページ
東京タワーが333mとのことですので、もう少しで追いつきます。
さらには完成予定が634mとのことですので、まだ倍以上になるのですね。


去年の、特に後半は手術ばかりしていた印象があります。
年始から少し落ち着いていいたのですが、やはり診療が始まりますと増えてきました。
今日はネコちゃんの避妊手術がありました。

避妊手術はワンちゃんもネコちゃんも最も多く受けている手術だと思います。
僕自身も最も多く行っている手術です。

獣医師になってからのはじめの5年間は京都の動物病院で仕事をしていました。
そこでは毎日多くの手術がありましたが、集中的に手術をしていた頃は、1日に4件ほどの手術を毎日毎日やっていました。
その時は避妊手術が中心でしたが、単純計算ですが2カ月間でも100件以上の手術をしていました。

避妊手術の手術方法は同じですが、どの子も同じではありません。
脂肪の多い子や若い子、ある程度お年を召している子など。
血管の状態や臓器の状態も全く同じということはありません。
とにかくいろいろな手術をしました。

おそらく多くの飼い主さんは動物病院では日常的に避妊手術が行われていることをご存知だと思います。
それでも飼い主さんはきっとどなたでもご心配されて動物病院にお預けされていることでしょう。
当然のことですよね。
こちらもできるだけ安心していただけるように心がけますが、飼い主さんは手術前にはこれから行われる手術のことで頭がいっぱいかも知れません。
心からの笑顔になっていただくには、安全に手術を終えて元気な様子をみていただくに限ります。

全身麻酔から覚めるのは手術が終わってだいたい5分以内です。
そして、麻酔前に行う痛み止めが切れるのは、それぞれの子によるのですが、1時間から4時間です。

午後の手術の場合、夕方にはかなり元気になっています。
が、2-3日かけてゆっくりと調子を戻す子もいます。

ちなみに、今日の手術の子は終わると2時間もしないうちに元気に走り回っていました。
若さでしょうかねぇcoldsweats01

年始め

年が明け、初診療の日の午後にスタッ全員で初詣に出かけました。
毎年恒例で、今回で3回目です。
どうぶつ達の健康を願って。
僕と看護士2名の3名は開院当初から一緒ですので、今年の境内の賑わいに驚いてしまいました。
これまでで最も多くの方が参拝に来られていたのではないでしょうか。
1月4日だったのですが、この日は月曜日で多くの会社の方々が仕事始めだったようです。

1月で開院から2年8カ月。
まだ3年に満たないのですが、大変に多くのどうぶつ達、飼い主様に来院いただいております。
多くのどうぶつ達の治療をとおして、飼い主様のご心配や治ったときの喜びを共に体験し、できるだけ多くのお話を伺うようにしています。
この積み重ねが大切で、僕自身最も大切にしていることです。
今年もこの姿勢に変わりはありません。

現状に安住することなく、これまでよりもよりよい診療を目指す者としましては、是非とも多くの声を伺いながら、前に進みたいと考えております。
今年もどうぞよろしくご指導おねがいいたします。

アジソン病(副腎皮質機能低下症)

新しい年が明けました。

元日夜8時過ぎに電話があり、生後3カ月のチワワちゃんの飼い主さんが診察をご希望されました。
通常、初診の時間外診療はお断りしておりますが、1月1日です、行かれるところがなくてお困りだろうと診察させていただきました。

チワワちゃんはぐったりとして、立つことはもちろんのこと、動くこともほとんどできません。
「低血糖でしょうか?」
飼い主さんが言われました。
確かにこの月齢の小さな子達はよく低血糖になります。
しかし、この子は飼われて3週間以上が経っています。
低血糖は飼われたすぐくらいに起こることが多いことを考えますと、他の可能性も考えなければなりません。

まずは血液検査です。
検査を始める前に発作があり、20-30秒くらいの痙攣が起きました。
すぐに採血をして、直後にブドウ糖を飲ませました。
しかしなかなか飲み込めません。
低血糖でも重度だと痙攣が起きますし、またブドウ糖を口から飲ませようとしても飲み込むことができないこともあります。
このような場合は静脈注射が必要です。

血液検査の結果をみると、異常値が並んでいました。
電解質異常(Na119、Cl69、K6.5)があり、低血糖があり、血中尿素窒素の上昇(BUN>130)があり、肝酵素も高くなっていました。

・・・どう考えても単なる低血糖ではなく、アジソン病と仮診断しました。

ステロイドはいつも悪者に考えられがちですが、アジソン病は体の中にステロイドが足りなくなって起こる病気です。
すぐに静脈点滴を始め、ステロイドの静脈注射と、飲み薬を飲ませました。

アジソン病の確定診断のための検査がありますが、今回はかなり乱暴ですが省略です。
1月1日ですから、どこも検査センターが動いていません。
かと言って、確定診断の検査結果を待ってから治療を始めることは出来ない状況です。
通常は確定診断の検査を行ってから治療をしなければなりません。


去年、寂しいお別れがありました。
長年通われたアジソン病の友達(ワンコ♀)がいました。
いろいろなことがありましたが、いつもは状態は落ち着いていて、とてもとてもかわいい友達です。
12歳の誕生日を祝ってもらうと間もなく旅立ちました。
この友達にはいろいろと教わりました。

アジソン病はそう多くみる病気ではありません。
かなりめずらしいと同時に、診断が難しい病気でもあります。
血液検査で異常であることは誰でもすぐにわかりますが、それがアジソン病だとわかるにはさらに検討が必要です。

僕はその友達にお別れまでの7年間に多くを教えられ、アジソン病については特別な思い入れがあります。
今回も来院から診断まで20分程度、早くに治療を始めることができたのは、その友達のお陰です。

今朝のチワワちゃんの元気な姿はとても嬉しいものでした。
まだまだ油断はできませんが、部屋の前に行くと尻尾を振りながら喜んでくれます。
昨日の立てない姿とは大違いです。
この時点で仮診断したアジソン病はほぼ間違いなさそうです。
その治療しかしていませんし、劇的な回復ぶりですから。

年始め、友達にとても感謝しています。

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