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2010年8月

骨折の手術

骨折の発生が多い犬種があります。
また、骨折が多く発生するのは小型の犬種が多いかも知れません。


後ろ足の骨折をしたワンちゃんが来院されました。
骨折はどのように折れているかで分類することがありますが、今回はラセン骨折と呼ばれるものでした。

次には腕の骨折です。
横骨折をよばれる骨折がみられました。

後ろ足の骨折のワンちゃんも、腕を骨折したワンちゃんも、とても温和しくてよい子です。
ちょっと寂しがりやですが、手術も入院も治療に関しては非常に協力的でした。

今回は、後ろ足のワンちゃんにも、腕のワンちゃんにもプレートとスクリューで手術をしました。
後ろ足のワンちゃんには、長いプレートを架橋プレートと呼ばれる使い方で固定しました。
腕のワンちゃんには、短いプレートを支持プレートと呼ばれる使い方で固定をしました。

骨折の手術で僕が最も難しいと感じるのは、折れた骨同士をもとのとおりに配列するところです。
骨が折れて、互い違いになっていたりします。
それをもとのとおりに、まずは並べ直すのですが、筋肉がしっかりと付いていますから、かなりの力が必要です。
おそらくは、この手技が骨折治療のほとんどの時間かも知れません。

僕の場合、この時間が全体の60%くらいかもしれません。
互い違いにズレてしまった骨を元に戻したら次は仮固定です。
骨にプレートを当てた状態で、鉗子(かんし)と呼ばれる器具をつかって仮留めをします。
ここまでできましたら、ほぼ終わったようなものです。

ドリルをつかって小さな穴を骨にあけます。
次ぎに骨に開けた穴の深さを測ります。
そうしたら、穴にスクリュー(ネジ)と入れるためのネジ山を切ります。
最後にスクリューでプレートを押さえ込むように固定します。
この4行程をひたすら繰り返し、必要な本数のスクリューでプレートを固定します。

できるだけ早くに足を使って欲しいのですが、手術直後から走ってはいけませんので、しばらくは運動の制限が必要です。
その後にできるだけ足を使うようにして、骨に治ってもらうまでの時間だけ観察します。

そうなんです。
骨折治療の場合、固定をしてしまったら、後は骨に治ってもらうまで待つのみです。
その間はかなり胃がいたくなることもあります。
やることをやったら、あとは時間が経つのを待つしかありませんから。
治るまでの時間は、1カ月くらいのこともあれば、3カ月くらいかかることもあります。
ちなみに治るとは、骨折前と同じように自由に運動ができることです。

腕の骨折のワンちゃんは手術から1カ月ほどで普通に走っています。

幸い、僕には経験がありませんが、治らないこともあります。
これは多くの場合は手術がよくなかったとされます。
癒合不全とか癒合遅延と呼ばれるものです。

いろいろな原因がありますが、手術がうまくなされなかったことが一番の原因とされますから、始めに正しく手術を行うかはとても大きな問題です。

それにしても、骨折がきれいに治ってワンちゃん達が自由に走ることができるようになると、これほど嬉しいことはありませんよ。
手術計画にはじまり、実際の手術、そしてリハビリなど、いろいろ場面で飼い主さんとともに二人三脚です。

骨折のときの心の痛みから、治ったときの喜びまで。

産直の桃

9月4日(土)と5日(日)は園田が歯科研究会に参加するために不在です。代わりの獣医師が、両日共に午前中だけ診療をさせていただきます。午後は土曜日、日曜日ともに休診いたします。


ずいぶんと前のことなのですが、自宅近くまで、軽トラックで焼き芋を売りに来てくれる焼き芋屋さんがいました。来年はやらないかもしれないなぁと言いながら、焼き芋をおまけしてくれたおじさんです。

つい先日、またまた自宅近くに同じく軽トラックの荷台で産直の桃を売っているおじさんがいました。
焼き芋屋さんでした。coldsweats01

おじさ〜ん、桃ください。
当然、おじさんは僕を覚えているわけもなく、一言二言話をして梨をおまけしてくれました。
別れ際に、焼き芋もまたやってくださいよ〜と言うと
ちょっと照れた感じで、うつむきながら、よく知ってるな〜と一言。

このおじさんの焼き芋は本当においしかったのですが、今回の桃も、正直、期待を超えておいしかったです。

近所に知り合いのおじさんがいるような、ちょっとそんな感じでした。

9月4日、5日

9月4日(土)と5日(日)は園田が歯科研究会に出席のために、午前の診療を代わりの獣医師で行い、午後を休診させていただきます。よろしくお願いいたします。

今日は職場訪問で中学生の女の子が来てくれました。
いろいろな思いがありました。

当院が開院したのは3年数カ月前です。
開院からあまり月日が経たない頃だったと思いますが、実はその頃この女の子は小学生で、数人のクラスメイトと職場訪問に来てくれました。

僕は学生時代に塾の講師をしたことがあり、小学生のパワーというものに少しばかり怖れを持っていましたが、さすがは地域柄なのか、とても礼儀正しくて、驚いたことがありました。

それ以前からこの子は愛犬とともに当院に通ってくれまして、毎月のフィラリア予防にも欠かさずに来てくれました。

今年の夏、暑い盛りのことです。
その女の子が飼っている愛犬が突然痛みを訴えるようになりました。
まだ若いワンちゃんでしたので、重い病気を想定していませんでしたが、治療の反応が思わしくなく、MRIとCTを使った精密検査を行うことになりました。

そこでわかったことは、大変重い病気であること。
回復が見込めないことでした。
正直、僕の見通しとは異なる検査結果でした。
女の子が小学生の頃から連れてきてくれて、毎月予防処置をしていたワンちゃんなのに、元気な様子からはうかがい知れないことが体の中では進行中でした。

ワンちゃんは8月のはじめに天に召されました。
はじめに病気の症状がみつかってから3週間ほどのことです。
お母さんも、お父さんも、当然女の子も、涙してワンちゃんを見送りました。

最後の日まで食欲が落ちず、モリモリと食事をとっていました。
病気がわかって、これから長くはないとお話すると、それまで制限されていた大好物のおせんべいをもらうようになりました。
ご家族の方はみなさん、ワンちゃんがおせんべいが好きだと知っています。
ワンちゃんにあまいお父さんは日頃隠れておせんべいを与えていたようです。
それを女の子が見つけると、厳しくダメとお父さんを注意していたとのことでした。
その制限が解除され、ワンちゃんは大好きなおせんべいをたくさんもらえるようになりました。
最後の日の前日も、大好物をたくさんもらったようでした。


女の子から中学生になってからの職場訪問の依頼があったのは、ワンちゃんが調子を悪くする前のことです。
夏休みに職場訪問をしたい。と言うことでした。
その依頼からしばらくして、ワンちゃんの重い病気がわかり、涙の日々があり、お別れがあり。

そして今回、予定通りに職場訪問がありました。
愛犬が闘病生活を送った動物病院。
いろいろな思い出があるはずです。
楽しいことも、悲しいことも。

明るく、気丈に、いろいろとインタビューをしてくれて、最後は、お時間いただきありがとうございましたと。

愛犬とのお別れからまだ1月も経ちません。
だんだんと元気を取り戻しつつあるというお母さんのお話や、もう少し時間がかかるだろうお父さんの悲しみのことなどもお話してくれました。
そのときばかりは、ハンカチで目を押さえていました。


かなり深い話ができたと思っています。
動物病院の獣医師として、少しは夏休みの課題のお手伝いができたのでしょうか。

またいつでもおいで。
そう言ってお別れしました。
お互いに明るい笑顔で

皮膚癌

明日から3日間休診をいたします。
8月13日(金)から8月15日(日)までです。
→診療スケジュールのページへのリンク
8月16日(月)からは通常どおりです。


先日、ネコちゃんが来院しました。
体に小さなできものがあるとのこと。
飼い主さんはインターネットでいろいろとお調べになったようです。
ネコちゃんの皮膚のできものは悪い(悪性の)ものが多いと読んだということでした。
小さなできものでしたが、針を刺して検査をする、いわゆる針生検ができそうでしたので、検査をすることにしました。
結果は皮膚癌です。

あまり針生検で確定診断はつかないものですが、今回は非常に特徴的なものでしたので、すぐに診断がつき、そして手術の話になりました。

とてもとてもネコちゃんを可愛がられていらっしゃいますから、飼い主さんのお顔が泣き顔に見えてきました。大丈夫だろうか、心配は尽きません。
取り除くには、小さなできものものではありますが、全身麻酔で行う手術が必要です。
早めに手術日を取ることができました。

手術はうまくいくと思いましたので、特別、手術そのもののリスク説明に時間を取らず、腫瘍そのもののお話をじっくりと行いました。
診断名、特徴、今後予想される出来事などなど。
不安と安心とが入り交じる場面です。

とにかく今は取り除くことだけを考えましょう。confident
そうお話してお預かりをしました。
麻酔前に行う検査を進め、手術を行いました。
小さなできものですが、悪性のものです。
広めに余裕をもって取り除く必要があります。
肉眼的には十分に取り除くことができました。

無事に手術が終わり、飼い主さんがお迎えに来られる頃には、お預かりの時と同じような元気な様子が見えました。
日帰り手術でした。

特にネコちゃんは静養するにもお家が一番ですので、基本的には日帰り手術をすることが多くなっています。特別に経過観察が重要でなければ。

ちょこっと毛を剃りましたので、痛々しく見えますが、おそらくは抜糸の頃までには見た目にもよくなると思います。
次は2週間後。
また元気な姿で会えますよ。cat

医療機器

8月も半ばですね。
当院でも夏季休診をいたします。
8月13日(金)から8月15日(日)までの3日間です。
ご迷惑をおかけいたします。

当院の医療機器は必要な物は揃っているのですが、さらに上を目指して、少しずつ増えています。
主な物はホームページでご紹介したり、ブログでお知らせしたりしていますが、これらに書かない物も多くあります。
特に整形外科の機器については、かなり充実してきています。

手術の件数がかなり増えてきているのですが、そこで思うことがあります。
手術を執刀する度に、もっともっとと技術を上げる方法を探します。
どんなにうまくいった手術でも、厳しく振り返りますと、いくつかの反省点があるものです。
その中で、やはり整形外科では手術機器の充実はとても重要なものです。
道具があるのと無いのとでは、出来不出来が大きく異なります。
獣医師の技量も大切でしょうし、道具だけあれば誰でも同じ事ができるわけではありませんので、ともに必要なものであることは間違いないと思っています。

前に先輩獣医師がお話しされた言葉が思い出されます。
「手術が下手な獣医師ほど道具の力が物を言う」
ここにはいろいろな意味が含まれています。
整形外科で用いる道具、医療機器は、とても高価なものです。
手に収まる小さな物でも、国産車1台分くらいのものも珍しくありません。
手術件数が少ないと、とてもそのような道具を揃えることは困難です。
しかし、だからと言って、便利な道具を使わないと、早く綺麗な手術がまたできません。
ここに矛盾が生じます。

経験豊富な獣医師は、充実した道具、医療機器で手術を行います。
逆に、経験も医療機器もかなわないこともあるので、仕上がりに違いがでるのは当然なのかもしれません。

無理をしてでも、医療機器を充実させることは、整形外科については特に大切のように思います。
僕自身まだまだ駆け出しです。
道具に頼ってどうにか良い成績が残せていますが、もっともっと努力が必要です。
まだまだ「道具の力が物を言う」レベルですので、背伸びしてでも医療機器を充実させてきました。

今月、新たな成長期を迎えたスカイツリーのように、もっともっと上を目指して。

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