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骨折の手術

骨折の発生が多い犬種があります。
また、骨折が多く発生するのは小型の犬種が多いかも知れません。


後ろ足の骨折をしたワンちゃんが来院されました。
骨折はどのように折れているかで分類することがありますが、今回はラセン骨折と呼ばれるものでした。

次には腕の骨折です。
横骨折をよばれる骨折がみられました。

後ろ足の骨折のワンちゃんも、腕を骨折したワンちゃんも、とても温和しくてよい子です。
ちょっと寂しがりやですが、手術も入院も治療に関しては非常に協力的でした。

今回は、後ろ足のワンちゃんにも、腕のワンちゃんにもプレートとスクリューで手術をしました。
後ろ足のワンちゃんには、長いプレートを架橋プレートと呼ばれる使い方で固定しました。
腕のワンちゃんには、短いプレートを支持プレートと呼ばれる使い方で固定をしました。

骨折の手術で僕が最も難しいと感じるのは、折れた骨同士をもとのとおりに配列するところです。
骨が折れて、互い違いになっていたりします。
それをもとのとおりに、まずは並べ直すのですが、筋肉がしっかりと付いていますから、かなりの力が必要です。
おそらくは、この手技が骨折治療のほとんどの時間かも知れません。

僕の場合、この時間が全体の60%くらいかもしれません。
互い違いにズレてしまった骨を元に戻したら次は仮固定です。
骨にプレートを当てた状態で、鉗子(かんし)と呼ばれる器具をつかって仮留めをします。
ここまでできましたら、ほぼ終わったようなものです。

ドリルをつかって小さな穴を骨にあけます。
次ぎに骨に開けた穴の深さを測ります。
そうしたら、穴にスクリュー(ネジ)と入れるためのネジ山を切ります。
最後にスクリューでプレートを押さえ込むように固定します。
この4行程をひたすら繰り返し、必要な本数のスクリューでプレートを固定します。

できるだけ早くに足を使って欲しいのですが、手術直後から走ってはいけませんので、しばらくは運動の制限が必要です。
その後にできるだけ足を使うようにして、骨に治ってもらうまでの時間だけ観察します。

そうなんです。
骨折治療の場合、固定をしてしまったら、後は骨に治ってもらうまで待つのみです。
その間はかなり胃がいたくなることもあります。
やることをやったら、あとは時間が経つのを待つしかありませんから。
治るまでの時間は、1カ月くらいのこともあれば、3カ月くらいかかることもあります。
ちなみに治るとは、骨折前と同じように自由に運動ができることです。

腕の骨折のワンちゃんは手術から1カ月ほどで普通に走っています。

幸い、僕には経験がありませんが、治らないこともあります。
これは多くの場合は手術がよくなかったとされます。
癒合不全とか癒合遅延と呼ばれるものです。

いろいろな原因がありますが、手術がうまくなされなかったことが一番の原因とされますから、始めに正しく手術を行うかはとても大きな問題です。

それにしても、骨折がきれいに治ってワンちゃん達が自由に走ることができるようになると、これほど嬉しいことはありませんよ。
手術計画にはじまり、実際の手術、そしてリハビリなど、いろいろ場面で飼い主さんとともに二人三脚です。

骨折のときの心の痛みから、治ったときの喜びまで。

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