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2010年9月

口臭の原因は何?

犬の口臭が気になるんですけど。
そのようなご相談を受けることがあります。

実は犬の口臭について詳細な記述(根拠のある文献)はありません。
ヒトの口臭についての文献から、犬の口臭をみてみます。

ヒトの口臭の原因は80%以上が口腔から発生するとされます。
口の中に原因があるということですが、それ以外もあるということです。
ヒトの場合は口臭の種類は大きく4つに分類されます。

生理的口臭
病的口臭
飲食物・嗜好物による口臭
心性口臭

生理的口臭とは、加齢によるものや、起床時の口臭、空腹時の口臭、緊張時の口臭、疲労時の口臭です。

病的口臭が最も多いと思いますが、これが歯周病などの口臭、鼻腔疾患や消化器疾患、糖尿病あるいは腎疾患などによる全身性疾患

嗜好物による口臭はワンちゃんにはあまりみられないと思いますが、食糞をしてしまったら、可能性があります。

病的口臭に分類される、口腔内疾患で匂いがするのは、口の中にあるタンパク質やアミノ酸を口の中の細菌が分解するときに発生する揮発性ガスのせいです。
口の中にあるタンパク質やアミノ酸は、口の中の上皮細胞、唾液、歯肉から出てくるもの、歯垢に含まれます。

歯磨きをしているけれども口臭がすると言った場合には、それでも取り切れていない歯垢があることもあります。
また、小さいのに口臭がするときには、乳歯が永久歯に代わるときに起こる出血が口臭の原因になることがあります。
また、乳歯を永久歯が一緒に存在していて、その間に毛や食べものがからまっていることで匂いがすることもあります。

ワンちゃんの種類によっては唇にヒダがあり、そこに皮膚炎が起こり、匂いがすることもあります。

口の中はいつもきれいにしておきたいところ。
歯石除去や歯磨きについてのご相談はお気軽に。

心配しないでね

初診で来られた高齢のワンちゃんはお腹が大きい子でした。
いろいろとお話を伺いますと、他の動物病院で以前に難病と診断されたとのことでしたが、治療は行っていないとのこと。

身体検査を行いますと、大きなお腹は液体がいっぱいに貯まっていることがわかりました。
そして、大きな腫瘍もあります。
他にもいろいろな異常が見つかり、完全に治る病気ではないことがわかりました。
加齢性の病気もあったからです。

食欲がないというのが来院された理由でしたが、おそらくは何も治療をしなければこのまま食べることはないだろうと思われました。
病気の程度も軽いわけではなく、高齢で、食べていない期間も長い。
唯一の救いは、この子がけなげなかわいい瞳で、苦しさを表面に表していないことです。

できるだけ毎日点滴に通って頂くこと。
そうすれば自分から食べるようになる可能性があります。

始めて来院されてから5日目。
自分から少しだけですが食べ始め、そして、1週間ほどしますと、「よく食べるんです」と飼い主さんが言って下さるほどになりました。

点滴や薬で慢性腎不全の状態が一時的であっても改善したことと、腹水を抜いたことで、消化器系の圧迫が減り、体が楽になったのではないかと考えられました。

実はこの間に1日だけ飼い主さんが来られない日がありました。
お忙しそうにされていましたが、毎日来られていました。
休診日にもお時間を約束して診せていただいておりました。

・・どうされたのだろうか。
もしかして、良くないことでもあったのだろうか。

不安は杞憂に終わりました。
飼い主さんご自身の結婚披露宴があったのだそうです。
これは翌日に飼い主さんのご家族の方が、代わって連れて来られた時に伺ったお話です。

思わず、「おめでとうございます!」bellとお互いに笑顔です。

正直なところ、いつ何時、何が起こってもおかしくない状態でした。
当然飼い主さんにもそのお話はしたのですが、治らないとは言え、目に見えて体調は良くなりましたから、ホッと安心できるまでになりました。
そこで結婚披露宴。
おそらくは飼い主さんもご家族の方々も、おめでたいできごとと、受け入れなければならない厳しい現実で、気持ちがスッキリと晴れないでいらしたのではないかと思いました。

この子は知ってか知らずか、もしかしたら、この子にできる最大限の「おめでとう!」だったのかも知れません。
さらに体調は良さそうです。
どこまで維持できるのか。
残念ながら、それでも残された時間はには限りがあります。
ゆっくりとお別れをする準備も必要です。

大好きなお姉さんの人生での大きなイベントを驚くほどの生命力で歓迎したワンコはますます良い調子ですよ。dog

海の仲間達

海の仲間に会いに行ってきました。

お休みの日に、海の仲間達に会いに行ってきましたよ。
上野の国立科学博物館に。
→国立科学博物館へのリンク

10091400

哺乳類の展示を行っていまして、この前の企画展は「陸の仲間達」でした。
そのときも行きましたが、今回は海の仲間。

当日の上野はギラギラとした日差しがありましたが、木陰が多く、気持ちのよい場所ですねぇ。

10091401


特にクジラとイルカが多くありました。
クジラには歯を持った歯クジラと、歯がなくヒゲと呼ばれる歯の代わりのものがあるヒゲクジラがいます。
歯クジラとヒゲクジラです。

この歯クジラの中で、小型のものをイルカと呼びますので、実はクジラとイルカは別ものではなく、分類上生き物としては同じものです。

海深くまで生息範囲がある哺乳類ですので、わからないことも多くあるようです。
海底1000Mまで潜ってイカを採るクジラの紹介がありました。
しかしながら、その種のクジラがイカを採るところは誰も見たことがないのだそうです。
当然ですよね、水深1000Mは潜水艦を使わないと行けないところですものね。

アザラシさんもいましたよ。

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海の中はまだまだ未知の世界。
最近になっても新種のクジラが発見されるくらいです。
あんなに大きい生き物ですが、まだまだ知られていないクジラもいるのでしょうね。

知っていると思っても、また、広く想像を膨らましてみたところで、それをはるかに超えるさらに広い世界があるようですね。

海の仲間達。
また会いましょう。

前十字靱帯の断裂

このまま涼しいとは期待していませんでしたが、・・涼しいですねぇ。confident
暑さがぶり返すのではないかと思っていたのですけど。


今朝早くに足をケガしてしまったワンちゃんが来院しました。
左足を痛そうにしています。
いろいろと調べますと、膝の靱帯が切れています。
前十字靱帯の断裂です。

ヒトにもあるものですが、ヒトの場合と違うところがあります。
ヒトは外傷性です。いわゆるケガで起こります。
スポーツをする方に多いかも知れません。

一方、ワンちゃんの場合は、前十字靱帯の変性で起こります。
靱帯が弱くなり、そして損傷するのです。
基本的に外傷性ではありません。
それが故に、片足の前十字靱帯の損傷が起こりますと、ほぼ確実にもう片方にも起こります。

今回のワンちゃんはかなり前ですが、逆側の膝の手術をしています。
それから2年ほどは経っていると思いますが、通常は片方の損傷が起こってから、数カ月でもう片方にも損傷が起こるとも言われます。

治療は保存療法と言って、基本手術をしない方法と、手術をして治す方法があります。
今回は手術をすることになりました。

前十字靱帯の断裂はいろいろな手術方法があります。
手術方法がいろいろとあるということは、これが最良の手術方法というものがないとも言えます。
それぞれに、利点、欠点があります。
最近主流なのはTTAやTPLOと呼ばれる手術手技です。
スネの骨(脛骨)を切って行う手技で、特別な道具や、またその道具を使うトレーニングを受けなければ行うことができません。

ワンちゃんは少し落ち込んだ様子です。
痛いでしょうから、痛み止めを使いますよ。weep
飼い主さんは来院前から手術が必要とお考えだったようです。
「入院中はこのご飯で。」と、お持ち下さっていました。riceball

今日は検査で明日は手術。
早くに歩けるようになるといいね。

不妊手術をしました

少しばかり秋らしくなりましたね。maple

昨日ドラッグストアでいろいろと買い物をしたのですが、思わずクール系のボディーソープを買ってしまいました。毎年夏はそれを使うのですが、今年はすっかりと忘れていました。が、昨日発見して、思わず。

早速使ってみたのですが、ちょっと寒いですね。
まだまだ暑い日があるでしょうから、無駄にはならないと思いますが、ちょっと遅かったですね。think


ところで、ワンちゃんの不妊手術。
当然のことながら、珍しい手術ではありません。
ほぼ毎日のように行う手術です。
しかし、今回は特別な思い入れがあります。

8月に入って間もない頃のことです。
ご紹介で少しばかり遠くからの来院でした。
大切に飼われていたワンちゃん♀が子宮蓄膿症になったのだそうです。
近くの動物病院で手術をした直後に永久のお別れになったのだとお話されました。
とても悲しいお話です。
飼い主様は他に飼われていたワンちゃん♀の不妊手術をご希望でした。
子宮蓄膿症は不妊手術をしてあれば起こることのない病気です。
病気の予防を目的に、手術の決断をされたのです。

とても勇気のいることだと思います。
前のワンちゃんについても、病気が原因だけではなく、手術に対する体力的な問題もあったようです。
ここで別れ道があります。
手術はせずに、子宮蓄膿症にならないように祈るか、リスクを負って手術を行うか。

どちらもよくわかる決断だけに、選ぶとなりますと、なかなか難しい選択です。
手術をすればよいことはわかっていながら、なかなか決断ができない方が多いと思います。
100%成功すると約束できる手術はないからです。

僕の実績では、今のところ100%です。
これは、手術にしても、麻酔にしても、事故は幸いなことに体験したことがありません。
正直なところ、手術準備の段階で、いつも事故は想定します。
いろいろと胃を痛めながら、シュミレーションを繰り返します。
この作業は、実際の手術よりも疲労します。
実際の手術は本番ですから、前進あるのみです。
進んで行くうちにある程度早くに安心できるところに到達しますので、あとはひたすら慎重に手を動かすだけです。

不妊手術も毎回しっかりと準備をします。
今回も同様でした。
毎回そうですが、絶対に問題があってはいけない手術です。
飼い主さんの笑顔を思い浮かべながら慎重に慎重に。

手術前に飼い主さんと笑顔で挨拶をしました。
終わってお帰りのときにも、当然ながら笑顔でご挨拶をしたいものです。
一点の曇りも残さずに、心からの安心をお届けできるように。

どうぶつとの生活を楽しむ中では、いろいろと戸惑う場面があると思います。
飼い主さんがされた苦しい苦しい決断を、よかった!!とするために、日々過ごしているように思います。
これは手術にしても、日常の治療にしても。

とにかく今回も笑顔で飼い主さんとお話しできます。dog

秋らしくなりました

8日水曜日の豪雨の後から涼しくなりましたね。
日中はそれなりに暑いですが、朝夕はさわやかな風が心地よいので、ワンちゃんのお散歩も少しばかり時間をかけることができそうです。


最近続いたネコちゃんの病気についてです。
尿道閉塞。
これは膀胱から尿がでるところまでの尿道に何らかの物が詰まってしまうものです。
こうなりますと尿が出ません。
でも膀胱には貯まっていきます。
出口を失った尿はそのまま膀胱を内側から圧迫します。
もともと膀胱は風船のように膨らんだり縮んだりするものですので、ある程度の柔軟性があるのです。
しかしながら、尿道閉塞が起こりますと、結構早い段階で、たくさんの尿で満たされることで膀胱は硬くなります。
触診しますと、普段は軟らかい膀胱も、尿道閉塞をおこして時間が経ったものはカチカチのまるで石を触っているようです。

先日来院したネコちゃんは、大きなネコちゃんでした。
(ちなみに、標準的なダックスちゃんよりも重い子です。)
トイレに何回も行くけれども、出ていないようだ。
飼い主さんは心配そうにそうお話しされました。

触診をするとまだ膀胱は軟らかいのですが、この段階ではまだ確かめなければならないことがいくつかあります。
閉塞を起こしているのか、いないのか。

「尿が出ていない」ときにはトイレでしていないだけで、もしかするとちょこっとずつ出ているものを舐めていることもあります。また、ごくわずかずつしか出ませんから、カーペット、足ふきマットなどでしていても量が少なくて分からない場合もあります。
もちろん、全くでていないこともあります。

少しばかりお預かりをしまして様子を観察しますと、全く出ていないことがわかりました。
明らかに尿道閉塞です。

尿道閉塞を治療するときには、尿道から尿道カテーテルと呼ばれる小さな管を入れます。
痛がることもありますので、様子をみながら麻酔をしたほうがよいかを判断しますが、このネコちゃんはほとんど痛がるそぶりもなくカテーテル処置ができました。

膀胱洗浄をしますとストラバイトと呼ばれる結晶物がたくさん膀胱内から回収されます。
何度か洗浄を繰り返します。
この病気は再発もよくありますから翌日も洗浄しました。

閉塞が解除されてからは、元気も食欲もでてきました。happy01

多頭飼いでお家で待っているネコちゃんが数匹います。
早くに帰ろうとキャリーケースにまっしぐらでした。

早くに連れてきていただいたので、尿道閉塞に続いて起こりやすい腎不全はみられませんでした。
またすぐにみんなの元へ帰れましたよ。confident

食欲の秋、またたくさん食べて、もっと大きくなるのかなぁ。maple

歯科研究会に参加してきました

9月4日(土)と5日(日)に、午後を休診しまして、小動物歯科研究会に参加してきました。
遠く、麻布大学まで行きました。
私学へ行くといつも思うのですが、綺麗だな〜と、キョロキョロとしてしまいます。

この研究会は実は結構な人気でして、参加できるのは希望者の半数くらいなのだそうです。
3月くらいにFAXで申し込むのですが、瞬間的な送信は、まるで人気アーティストのライブチケットを申し込むときのようかもしれません。

朝に水天宮前を出発しまして、半蔵門線で長津田まで。
そこでJR横浜線に乗り換えまして、矢部という駅が麻布大学最寄りの駅です。
1時間半ほどの道のりでした。

麻布大学の学生さんのお手伝いがあり、医療機器メーカーの方々の賛助があり、本当にいろいろな方々のお力なくしては成り立たない、研究会でした。
遠方から来られる方には、四国からの先生もあったようですが、もっと遠くから来られた先生もあったかもしれません。

ワンちゃん、ネコちゃんは3歳以上になりますと、その80%が歯周病にかかっていると言われています。全てが治療対象というわけではありませんが、生涯にわたり、口腔内のトラブルを抱えることのないお子さんはおそらくいません。
しかしながら、最も大切なホームケアが困難であるために、口の中の様子は意外と知られていないのが実際のところです。

多くは、匂いがする、食べづらそう、といった、周りからわかるところになって来院されますので、歯周病が結構進行し、歯石が多く付いていることがよくあります。
簡単に歯石を取れば済むわけではありませんから、口の中で起こっているいろいろなことを知る必要があります。

今回の研究会のテーマは抜歯でした。
特別に簡単に抜歯すべきではない場面や、積極的に抜歯が必要な場面など、いろいろと紹介されました。
実際の抜歯は、特に上の奥歯の一番大きい歯(第四前臼歯)では、歯を分割しないと抜けません。
また、上あごの犬歯も注意深く抜歯しないと、鼻に続く穴をあけてしまうことがあります。
さらに、下あごの犬歯は不用意に抜くとあごの骨が骨折する危険性があります。
このように、いろいろな細心の注意をしながら、慎重な操作が必要です。

多くの飼い主さんにとって、おそらくは全ての飼い主さんにとって、愛するワンちゃん、ネコちゃんの歯を抜くということはかなりの痛い思いがあるはずです。
どうにかこのお互いに痛い思いを少なくするためには、ホームケア、すなわち、お家での歯磨きは必須です。

歯周病の検査や、歯磨き、歯石について、ご相談がありましたら、お気軽にお問い合せください。
通常の外来のお時間に口腔内の診察を行っております。

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