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心配しないでね

初診で来られた高齢のワンちゃんはお腹が大きい子でした。
いろいろとお話を伺いますと、他の動物病院で以前に難病と診断されたとのことでしたが、治療は行っていないとのこと。

身体検査を行いますと、大きなお腹は液体がいっぱいに貯まっていることがわかりました。
そして、大きな腫瘍もあります。
他にもいろいろな異常が見つかり、完全に治る病気ではないことがわかりました。
加齢性の病気もあったからです。

食欲がないというのが来院された理由でしたが、おそらくは何も治療をしなければこのまま食べることはないだろうと思われました。
病気の程度も軽いわけではなく、高齢で、食べていない期間も長い。
唯一の救いは、この子がけなげなかわいい瞳で、苦しさを表面に表していないことです。

できるだけ毎日点滴に通って頂くこと。
そうすれば自分から食べるようになる可能性があります。

始めて来院されてから5日目。
自分から少しだけですが食べ始め、そして、1週間ほどしますと、「よく食べるんです」と飼い主さんが言って下さるほどになりました。

点滴や薬で慢性腎不全の状態が一時的であっても改善したことと、腹水を抜いたことで、消化器系の圧迫が減り、体が楽になったのではないかと考えられました。

実はこの間に1日だけ飼い主さんが来られない日がありました。
お忙しそうにされていましたが、毎日来られていました。
休診日にもお時間を約束して診せていただいておりました。

・・どうされたのだろうか。
もしかして、良くないことでもあったのだろうか。

不安は杞憂に終わりました。
飼い主さんご自身の結婚披露宴があったのだそうです。
これは翌日に飼い主さんのご家族の方が、代わって連れて来られた時に伺ったお話です。

思わず、「おめでとうございます!」bellとお互いに笑顔です。

正直なところ、いつ何時、何が起こってもおかしくない状態でした。
当然飼い主さんにもそのお話はしたのですが、治らないとは言え、目に見えて体調は良くなりましたから、ホッと安心できるまでになりました。
そこで結婚披露宴。
おそらくは飼い主さんもご家族の方々も、おめでたいできごとと、受け入れなければならない厳しい現実で、気持ちがスッキリと晴れないでいらしたのではないかと思いました。

この子は知ってか知らずか、もしかしたら、この子にできる最大限の「おめでとう!」だったのかも知れません。
さらに体調は良さそうです。
どこまで維持できるのか。
残念ながら、それでも残された時間はには限りがあります。
ゆっくりとお別れをする準備も必要です。

大好きなお姉さんの人生での大きなイベントを驚くほどの生命力で歓迎したワンコはますます良い調子ですよ。dog

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