« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

2010年10月

トイブリードの骨折

若いトイブリード(小型犬)の骨折には非常に治りにくい、あるいは治らないものがあります。
いろいろな原因は言われていますが、すべてがわかっているわけではないために、海外では専門医も避けることがあるのだそうです。

先日、整形外科とは全く分野の異なるセミナーに参加したときのことです。
たまたま講師の方が、トイブリードの骨折には手を出したらいけないと公言されていました。
20人も入らないほどの小さな会場は、そうだそうだ大学の動物病院を紹介しよう!という雰囲気になりました。

これまでトイブリードの骨折を手術してきて、辛い思いをしてこなかったので、???という思いがありました。それからちょうど1週間ほどしたところで、まさに典型的なトイブリードの骨折の子が来院しました。
橈骨、尺骨とよばれるいわゆる肘から手首にかけての骨が折れています。それもかなり手首に近いので、手術が難しい場所です。
こういう骨折のことなのだろうな〜と思いながら、できるだけの手術をしました。

実は治りにくい、あるいは治らない場合でも、手術直後は大丈夫!と思うのだそうです。
しかしそれが治っていかない。
僕もいつもの手術ですので、しっかりと治ると考えていますが、前述のセミナー講師の話や、治りにくいという文献のことは全く気にしないわけにもいきません。
ここからしっかりと治るかどうか。

今回はTプレートと呼ばれる、特にこの部位に一般的に使われるプレートで固定しました。

そのワンちゃんが連れてこられたのは夜の遅く。
飼い主さんがいつもより遅くにご帰宅されたのだそうです。
するとベッドの上にいたワンちゃんが飛び降りてきて、その瞬間に「キャンキャン」と鳴き始めて。

深夜の時間外診療でしたがレントゲンで骨折が確認されましたので、手術の日を決めてそのまま入院でした。
飼い主さんが涙されていたのが僕まで苦しくなってしまいました。
よくワンコを連れてこられる方でしたから尚更です。

退院から数日後には、元気に走り回るから、こっちが心配で。と笑顔で心配されていました。

飼い主さんが笑顔のままでいらるように、しっかりと回復しなければなりません。

高齢のどうぶつの手術

最近は手術が多いのですが、特に高齢のどうぶつの手術が増えています。
手術が必要となりますと全身麻酔が必要です。
特別高齢のどうぶつになりますと、全身麻酔の安全姓は若いどうぶつとは異なります。

飼っているどうぶつの麻酔事故のお話を友達や知り合いから聞いたという方がいらっしゃいます。
うちの子は大丈夫でしょうか?
当然のご心配ですよね。

100%安全保障のある麻酔や手術というものはありませんから、もしも「絶対に大丈夫」と言うと、その方が問題があると考えます。また、そう言われて安心されるわけではないと思います。僕であれば、逆に不安になるかもしれません。

このようなお話になりますと、僕は実績的にはこれまで手術や麻酔の安全については100%の成功率ですとだけお話しします。
しかしながら、この実績はこれまでのものです。
当然にこの実績を99%にしたくはなく、100%のままをずっとずっと維持したいと強く考えています。

手術や麻酔については慣れというものがなく、毎回そのたびに新鮮な緊張感があります。
これが良いのかもしれません。
一つ一つの行程を細心の注意を払いながら進めていき、もしもに備えて幾重にも確認し、あらゆる問題を想定しながら手術も麻酔も行います。

高齢の子。
15歳のワンちゃんと19歳のネコちゃんです。

15歳のワンちゃんは小型犬ではないので、小型犬ですともう少し高齢に相当すると思います。
検査の結果、開腹手術が必要だとわかりました。
実績的にはよいものがありますが、手術や麻酔について毎回安全姓についての説明は必要です。
高齢で開腹手術ですから安全姓は若い子とは異なります。
飼い主さんはその場で決断され、そのまま即日手術を行いました。
手術も無事に終わり麻酔からもすみやかに覚めてくれました。
高齢ではいろいろな問題が起こる可能性がありますが今回も杞憂で終わりです。
吐いてばかりで食餌を全くとらないという症状がありましたが、手術が終わるとすぐに吐き気は治まり、5日目には食餌を自分からとるようになりました。
ご面会にはご家族の方数人が来られました。
手術中、その後の入院中、よい経過で、予定どおりの退院日を迎えて帰って行きました。

19歳のネコちゃんは腫瘍の摘出です。
骨の近くにできた腫瘍が大きくなって、ネコちゃんには大きな負担になっていました。
身体検査をして手術前の検査をしました。
手術と麻酔に問題なし!と判断をしましたが、やらなければわからない問題もありますから、楽観的にお話をすることはできません。
それでも、こういう場合「100%とは言い切れませんが、まず問題ないと予想しております」とお話しするようにしています。
このようにお話しして、結果何か起こったらどうするか。そんなことは考えていません。
懸命にできるだけのことをするだけですから。飼い主さんにご心配をおかしたくはありません。
保身が先に立つことがあってはいけないと思っております。

最終的にこのネコちゃんも、手術が終わった日からモリモリと食欲があり数日観察をした後で無事に帰っていきました。

できることをコツコツとやるだけです。
毎回緊張をしながら。

そしてまた今日も明日も明後日も手術です。

心臓超音波検査

昨年はほとんど参加できなかったセミナー、講習会、そして学会に今年は積極的に参加しています。
それらの日程が休診日の水曜日であれば問題がないことなのですが、そうでなければ本来の診療日を休診しなければなりません。
休診せずに情報を新しく更新しないでいると、何だか来院される方々にも申し訳ないような、そんなジレンマがありました。

治療法や手技がそれほど大きく変わるわけではないのですが、新しい情報があるのも事実です。
今年は年頭から情報更新の年として考えていましたし、残り2か月となりましたが、努力目標は達成できている気がします。

先日休診日に横浜の腹部超音波セミナーに参加したのですが、基本的にはあたらしいものは無く、症例検討会として診る力を鍛える場でした。さらにあと2回続きます。

そして、今回は心臓超音波のセミナーに参加してきました。
診療の合間に予定を入れずに、田端まで。
それでも手術が1件ありましたので、終わったらすぐに出かけまして、おおよそ3時間のお勉強でした。
これもあと5回あります。

とてもよいものでした。
来院される方々に十分な検査や治療をご提供する場合、ある程度の頻度で情報の更新は欠かせません。
大学を出たら、情報の更新をせずにそのままの知識と技術だけで突き進んでいくことは、良くないことですしモチベーションも保てなくなります。

当院には幸いなことに十分な設備があります。
あとはこれらをどう使いこなすか。
まだまだ鍛錬が続きます。
これからもずっと。

臨時の休診日はできるだけ早くに、ホームぺージの診療スケジュールのページでご案内いたしますね。

超音波セミナー

昨日の休診日は横浜で行われた超音波セミナーに参加してきました。
アメリアの認定放射線専門獣医師が講師です。

はじめて参加するコースもありましたが、僕が参加したのは普段の検査方法を振り返って検討するものです。それぞれが普段の検査の結果を持ち寄っての検討会です。
いつも興味深いと思うのですが、同じものをみているのに、見えている人と見えていない人がいるんですよね。
専門医はチラリと写った異常をスキがなく発見するわけですが、みんなにそのような技があるわけではありませんから、はやり専門医なのでしょう。

3時間ほどのセミナーでしたが、みんな1年以上前に同じ講師に18時間以上みっちりとトレーニングを受けた者ばかり。気心が知れていて、和やかに進みました。
これが一か月に一度あと2回。

楽しい会でした。
ちなみに、今回は肝臓と脾臓。
画像診断を駆使して、小さな異常も見逃さずに。

休みはなくなりますが、充実した時間でした。

歯を抜いたら

今回は日曜日を休診させていただき、体育の日の月曜日を診療日といたしました。
日曜日にご来院いただいた方々もありました。
ご迷惑をおかけいたしました。


11日(祝:月)は手術が3件。
それ以外に歯周病で辛そうなネコちゃんの処置がありました。

口の中が痛いので、ついつい足で引っ掻いてしまう。
そんなネコちゃんが来院しました。
食欲があって、ご飯をモリモリ食べます。
でも、・・口の中が痛くて食べながらギャーと鳴きます。
よだれも多くて、拭いても拭いてもすぐに口のまわりがベトベトびなってしまいます。

飼い主さんも辛そうなネコちゃんの姿に心を痛めていらっしゃいました。

口の中をしっかりと調べるには全身麻酔が必要なことがあります。
今回もそうでした。

年を取ったネコちゃんです。
飼い主さんはお守りをネコちゃんとともにお預けになりました。
ネコちゃんのお部屋にお守りを置いて麻酔前の検査をします。
全身麻酔をかけて口の中の検査です。
奥歯を抜かなければならないことがわかりました。

そのネコちゃんにはあまり歯が残ってはいません。
左右の奥歯を抜いたら、結局上下に2本ずつの犬歯が残るのみになりました。

麻酔から覚めたネコちゃんはほとんどよだれをたらさなくなりました。
いつもだと、拭いたそばからよだれでベトベトするのだそうです。
結局処置の後で4時間ほど点滴をしましたが、ほとんどよだれがでませんでした。

飼い主さんはお迎えの時におどろいていらっしゃいました。
このまま帰ってもよだれが少なければいいのに。
そう期待を込めてお話しされます。

もっともっと長生きできますように。
麻酔にも耐えて何でも食べられる口に戻ったのだから。

1週間後の診察が楽しみです。
飼い主さんが元気なネコちゃんの姿を見て喜んでくださるだろうと思います。
痛くなければもっと食べて太るかもしれません。

食欲の秋ですからね。horse

明日は休診日

10月10日は休診日、10月11日は診療日です。

先日、日帰りで九州に行ってきました。
ワンコを新しい飼い主さんに届けるためです。
いろいろな体験をしたワンコです。
中年ですが、見た目は老犬のようです。

いろいろと事前に打ち合わせをしていました。
現在の様子、これまでの経緯。
新しい飼い主さんは初めてみるなりかわいい子だね〜。
と九州の言葉でお話しされます。

もともと飼っていた人はこの子を捨ててしまいました。
迎えに来ると言いながら、来なかったのだそうです。

どこか広いところで過ごせたらいいね。
そう思っているところに、ご縁あって、新しい飼い主さんが現れました。
僕はこの子を新しい飼い主に引き渡す架け橋の役を担いました。

羽田から飛行機に乗り1時間以上。
空港に到着すると、係の方がキャリーケースに入った子を連れて来てくださいました。
ちょっと心配しましたが元気そうです。
迎えに来られていた新しい飼い主さんのご自宅まで来るまで向かいました。

新しい飼い主さんは、広い広い庭に、大きな大きな犬小屋を建ててくださっていました。
子供が中で遊べるくらいの。
犬小屋というよりは、離れた部屋ですね。

頑丈なんだよ。
ほら、こんなに太い柱なのだから。
と、見せてもらったのは、本当に大きな木。

この子はいろいろと不運も続きましたが本当に幸せ犬です。

食事をすぐに与えていらっしゃいました。
水を飲み、食事をして、その部屋に入ってくつろいでいました。
日帰りの旅であまり時間がありませんでしたので失礼したのですが、翌日にお電話をすると、散歩にいったよ、犬小屋はかわいそうになって、今は部屋にいるよ、いい子だよと、温かく温かく迎えてもらったようです。

大切にしてもらって、本当に本当によかった。
僕もできるだけのことができたらと思います。

次の九州行きが楽しみです。

10月10日は休診日

10月10日(日)は休診日です。
10月11日(祝:月、体育の日)は診療いたします。
今回は日曜日をお休みしまして、祝日(月曜日)を診療日とさせていただきます。

猛暑から一変、寒くなりました。
体調を崩すワンちゃんはいないだろうかと心配していましたが大丈夫なようです。
みんな元気ですね。
気温が下がり食欲が出た子もいますし、その前から食欲が落ちなかった子もいますし。happy01

さて、最近皮膚炎でかゆい皮膚をかんでしまって、ぽっかりと皮膚に穴を開けてしまった子が続きました。このような場合、穴を単純に縫合しても付きません。
小さな手術なのですが、あいてしまった穴の周囲をきれいに切開してあたらしくなった皮膚断面同士を縫合します。

今回は続きましたが、滅多にみるものではありません。
ここまで重い状態になるのは、年齢的な影響やその部分の皮膚に何かしらの原因で麻痺が起こっている場合が多いものです。
かゆくて掻くを超えてしまって、皮膚をかみ裂いてしまったものです。

この治療をしながら、かゆみの治療もあわせる必要があります。
ぽっかりと開いてしまった傷口に飼い主さんも心を痛めていらっしゃいますが、ちゃんと治ります。

同じところをずっと舐めたり、かんだりするときには注意が必要ですね。
まずはかゆみを治す治療から。

9月、10月はアトピー性皮膚炎の症状が目立つようになる時期です。
実際に9月からかゆみで来院される方が増えています。

ワンちゃんのアトピー性皮膚炎の原因(抗原)はヒトの場合とかなり似ています。
実は症状や、かゆくなる部位も似ています。
その抗原検査をしますと屋内にあるカビやハウスダストマイト(ダニ)がかなりの高い率で検出されます。
9月、10月にはこのカビやハウスダストマイトが増えることがわかっています。

シャンプーやスキンケア、そしてお薬をうまく組み合わせまして、よい状態をつくれるようにしています。残念ながら治る病気ではありませんが、かゆみを減らしてよい状態をつくることは比較的簡単です。

かゆみでお困りの時にはご相談くださいね。

« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

iTune