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そっとそっとね、 -膀胱結石- その1

前の診察からおおよそ2年が経っていました。

お電話があり、オシッコが出づらいというワンちゃんの往診の依頼でした。

思い出すのは、以前の往診のこと。

僕と看護師でご自宅に伺いますと、そのワンちゃんは尻尾をブンブン振ってすごく喜んでくれてその興奮のあまり、バタンと倒れてしまいました。

すぐに回復してくれましたし、その後の2年間にやはり興奮したときに同じようなことが数回あったようですが、飼い主さんもある程度は様子を見ながら、すぐに元の元気に戻るから大丈夫だろうと特別な検査や治療は行ってきませんでした。

それから2年間の時間が流れていますし、今興奮して倒れてしまったら大変だろうということが往診依頼のお電話で言及されました。

来院してもらうよりは、往診の方がまだ良いのではないだろうかという結論で、ご自宅で診察と治療を試みることになりました。

前回のように玄関先で出迎えてくれるときの興奮が心配だったので、まずは呼び鈴を鳴らさずに、玄関まで到着しましたら「今、扉のまえにおります」とお電話で伝えました。

そっと玄関の扉が開き、ヒソヒソ声でご挨拶をしてリビングへ。

ワンちゃんは気づいて寄ってきてくれましたが、以前のような興奮はありませんでした。

飼い主さんもホッとされていましたが、いつも食いしん坊のワンちゃんがほとんど食事を受け付けないことに心を痛めていらっしゃいました。

これから後の興奮はおそらくないだろうと思い、診察をはじめました。

尿は膀胱にたまり、そこから長い尿道を通って排泄されます。

膀胱結石が原因でオシッコが出づらいことが以前にもあり、どうにか細い管を使った治療で改善が見られ、このような場合に通常行う手術を免れてきた経緯があります。

しかし今回は細い管を使っても動きそうにない結石が尿道の途中でオシッコの出を悪くしていました。どうにか管を膀胱まで通すことができればたまった尿を回収できます。

1回目の処置でどうにか管は膀胱まで到達し、出づらかった尿を回収できました。

管は尿道で動かない石の横をうまくすり抜けて膀胱に達しただけですので、今回の治療はその場しのぎの処置に過ぎません。

排尿は毎日数回は必要ですので、管を入れっぱなしにする必要がありますが、ストレスを極力避けなければならないこの子にはあまり適切な処置ではありませんし、管をつけたまま生涯を過ごすことも現実的ではありません。

おそらく麻酔をかけて太めの管をつかって尿道の石を膀胱まで押し戻せればしばらくは困ることはなさそうです。

しかしこれも一時しのぎの処置です。

最善は手術をして尿道で動かない石を取り除くことと、膀胱内にたまっているその他の石もすべて取り去ることです。

興奮をどうにか避けたいワンちゃんを病院まで連れて来て全身麻酔下で手術をする。

慎重に行わないといけない問題です。

飼い主さんにご説明をはじめました。

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