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2013年5月

そっとそっとね、 -膀胱結石- その1

前の診察からおおよそ2年が経っていました。

お電話があり、オシッコが出づらいというワンちゃんの往診の依頼でした。

思い出すのは、以前の往診のこと。

僕と看護師でご自宅に伺いますと、そのワンちゃんは尻尾をブンブン振ってすごく喜んでくれてその興奮のあまり、バタンと倒れてしまいました。

すぐに回復してくれましたし、その後の2年間にやはり興奮したときに同じようなことが数回あったようですが、飼い主さんもある程度は様子を見ながら、すぐに元の元気に戻るから大丈夫だろうと特別な検査や治療は行ってきませんでした。

それから2年間の時間が流れていますし、今興奮して倒れてしまったら大変だろうということが往診依頼のお電話で言及されました。

来院してもらうよりは、往診の方がまだ良いのではないだろうかという結論で、ご自宅で診察と治療を試みることになりました。

前回のように玄関先で出迎えてくれるときの興奮が心配だったので、まずは呼び鈴を鳴らさずに、玄関まで到着しましたら「今、扉のまえにおります」とお電話で伝えました。

そっと玄関の扉が開き、ヒソヒソ声でご挨拶をしてリビングへ。

ワンちゃんは気づいて寄ってきてくれましたが、以前のような興奮はありませんでした。

飼い主さんもホッとされていましたが、いつも食いしん坊のワンちゃんがほとんど食事を受け付けないことに心を痛めていらっしゃいました。

これから後の興奮はおそらくないだろうと思い、診察をはじめました。

尿は膀胱にたまり、そこから長い尿道を通って排泄されます。

膀胱結石が原因でオシッコが出づらいことが以前にもあり、どうにか細い管を使った治療で改善が見られ、このような場合に通常行う手術を免れてきた経緯があります。

しかし今回は細い管を使っても動きそうにない結石が尿道の途中でオシッコの出を悪くしていました。どうにか管を膀胱まで通すことができればたまった尿を回収できます。

1回目の処置でどうにか管は膀胱まで到達し、出づらかった尿を回収できました。

管は尿道で動かない石の横をうまくすり抜けて膀胱に達しただけですので、今回の治療はその場しのぎの処置に過ぎません。

排尿は毎日数回は必要ですので、管を入れっぱなしにする必要がありますが、ストレスを極力避けなければならないこの子にはあまり適切な処置ではありませんし、管をつけたまま生涯を過ごすことも現実的ではありません。

おそらく麻酔をかけて太めの管をつかって尿道の石を膀胱まで押し戻せればしばらくは困ることはなさそうです。

しかしこれも一時しのぎの処置です。

最善は手術をして尿道で動かない石を取り除くことと、膀胱内にたまっているその他の石もすべて取り去ることです。

興奮をどうにか避けたいワンちゃんを病院まで連れて来て全身麻酔下で手術をする。

慎重に行わないといけない問題です。

飼い主さんにご説明をはじめました。

手術出張

5月ももう20日が過ぎて、あと10日ほどになりましたね。

新緑がきれいな季節ですが、なかなか緑を眺めることができずにいます。

まだ5月になったばかりの事ですが、九州で動物病院をしている妹から手術の依頼がありました。高齢でしかもかなり体重の軽いワンコの股関節の手術です。

妹の動物病院は新幹線の停まる駅から歩いて10分ほどなのですが、そのワンコは年に一度だけ離島から妹の動物病院へワンコを連れて健康診断に来られるのだそうです。その子が偶然にも今年の健康診断の直前に後ろ足の片方が使えなくなり、3本足でヒョコヒョコと歩くようになったとのことでした。

レントゲン写真をメールに添付して送ってもらって手術の方法を相談し、僕が執刀することになりました。
年末に帰省したときに妹に整形外科の手術で相談があったら言って欲しいと伝えてありました。
「整形外科を得意とされているのですか。」
茶化すような敬語で応えられたので、声がかかるとはあまり期待をしていなかったのですが、一応声をかけてくれました。

この場合はやはり特殊です。
16歳のポメラニアン、2.0kg。普通は手術を見送ることもあるでしょう。
しかし、この3本足で元気に走り回るワンコは、手術をしなければ今後3本足のこのままです。

僕が東京を離れることができるのは5月3日だけでした。
日本橋動物病院の休診日でしたし、休診中の担当獣医師がいます。
何度も行ったことがある手術ですので、麻酔時間をできるだけ短縮するために手術を手際よく行う必要があります。
全身麻酔はかなり安全にできるとしても、短時間で行うことはやはり大切なことです。
そのことを考えながら、そして東京を離れる時間も最短にしようと考えて、朝4時30分に起きて一番の飛行機で向かうことにしました。

飛行機は朝6時30分発。
箱崎を5時30分に出発するバスで羽田空港に向かいます。
妹の動物病院には9時30分には着くことができました。

事前に手術の計画は済んでいるので、予定以外のよけいな時間はほとんど無く、ほぼ計画どおりに手術は終わりました。
日本橋の動物病院なら、経過も診ることができすのですが、今回はそれができません。このような整形外科のい場合は仕上がりが生涯に影響をするので、元気に走る姿がとても見てみたかったのですが、叶わぬ希望となりました。

義弟と言いましても、僕よりも年上なのですが、お昼をごちそうになり、帰京です。現地滞在時間は5時間ほどでしょうか。

それからおおよそ3週間。
そろそろ元気に走り回っていても良い頃です。
次の報告が待ち遠しくなりました。

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