« 耳の奥に -外耳道の手術- | トップページ | ウサギさんの噛み合わせ -不成咬合・毛玉症- »

赤ちゃんと一緒に -犬の大腿骨骨折-

昨日は東京でも30度を超えたようですね。
半袖Tシャツとトレーナーで出勤したのですが、途中で暑くて結局Tシャツだけで自転車をこいでいました。

少し前にお電話をいただきました。
小型のワンちゃんが骨折をしてしまったのだそうです。
近くの動物病院に2件行ったが、治療がすぐにできそうにない。
飼い主さんは治療が難しいと言われるような骨折をした愛犬をとても心配されていました。
そちらでは手術ができますか?
レントゲン写真もそして骨折の状況もよくわかりませんので、簡単に「できます」とは言えませんが、おそらくはできると思いますが、実際には見てみないと何とも。そのようなお返事になってしまいました。

とりあえず行きます。
そうお応えになって、夕方に来院されました。
お母さんと、そして抱っこされた赤ちゃんと、ワンちゃんと。
お母さんは赤ちゃんを抱っこしながら、骨折をしていながらも動こうとするワンちゃんをどうにか制していらっしゃいました。

レントゲン写真をよく見てみますと、足が短めの犬種でありながら、太ももの骨を骨折しています。
確かに関節にもかかっている骨折で、簡単な手術では解決しないかも知れません。

思ったままを飼い主さんにお話をしますと、前の2件の動物病院でも同じようなことを言われ、結局はそこでは手術ができないとのことだったようです。

おそらくは慎重に手術をすればきっとうまく行くだろうと考えて、手術をすることにしました。実際は手術をしてしばらく時間をあけなければ、その成果がわからないこともありますし、やり直しや追加の処置が必要なこともあります。

いわゆるインフォームド・コンセントをしっかりと行い、当日ご一緒に来院されていないご主人にもお電話でお話をし、最終的に手術をすることになりました。

このお母さん、赤ちゃんそしてワンちゃんは都内ではなく、遠く隣県からいらしていました。
お電話でしっかりとそこまで伺えていたら、もっと近くをご紹介できたかも知れませんが、せっかくのご縁を大切にしたいとも思いました。

僕の骨折整復手術数はだんだんと増えて、骨折の整復手術の設備も充実をしてきてはいますが、上手に手術をされる先生は大勢いらっしゃいます。
こんな遠くまで来られなくてもとの思いと、きっちりと治るまでやらせて頂こうという気持ちがありました。

関節に及ぶ骨折とうのは、しっかりとやらないと治らなかったり、その後歩行障害が残ったりします。
レントゲンで何度も手術方法を検討し、どの器具を使うべきかもシュミレーションしました。
うちで主に使えるロッキングプレートは3種類。
(ちょっと専門的になりますが、LCP、ALPS、SOPです。)
今回はALPSの出番です。
今回のような複雑な形の部位の骨折の手術にとても使い勝手がよいプレートです。

麻酔をかけて、慎重にプレートの形を骨の曲線にそって加工します。
加工したプレートを骨に当てて、また加工してを何回か繰り返して、どうにか骨の曲線にぴったりとくる形に整えてから、あとはスクリューで固定します。

入院中はまだうまく歩けませんでしたが、昨日、手術から1か月ぶりに来院され、何事もなかったかのように走り回るワンちゃんがいました。
お母さんは赤ちゃんを抱っこされています。

この仕事をしていますと、お腹の大きなお母さんが、出産をされ、お子さんがだんだんと成長され、そのお子さんがワンちゃんを散歩され、そのような時の流れを見せていただけることがよくあります。
きっと、この赤ちゃんも数年後はこのワンちゃんと走り回っているのだろうと思います。
とにかくいろいろと責任や緊張のある仕事でしたが、今のことろは想定のとおりです。
歩けはしますが、まだ骨折線はレントゲンでしっかりと残っています。
この線が消えて、骨が完全にくっつくまではこれからもしっかりと診て行く予定です。そして赤ちゃんの成長も。

« 耳の奥に -外耳道の手術- | トップページ | ウサギさんの噛み合わせ -不成咬合・毛玉症- »

どうぶつ診療」カテゴリの記事

2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

iTune