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2014年3月

歩けるようになりましたよ

桜が咲き始めましたね。

昨日は暖かくて、何も考えずにいつものダウンを着て外に出たところ、まわりの方々の視線を少しだけ集めてしまいましたよ。
半袖Tシャツの方もいらしたのに。 


おおよそ2週間ほど前のことです。
休診の日にお電話をいただきました。
うちの動物病院の近くにお引っ越しをして来られたばかりで、まだ一度もお会いしたことがない方です。
お話を聞きますと、ワンちゃんが突然歩けなくなったとのことでした。
すぐに来院していただきました。

見た目では椎間板ヘルニアです。
前足はしっかりとしていますが、後ろ足にはほとんど力が入りません。
成犬をもらい受けられたとのことで、年齢は正確には不明なのですが、10歳くらいではないかとのお話です。

椎間板ヘルニアが一番に考えられる病気ですが、脊髄腫瘍や炎症によるものも考えられます。
まずはレントゲン検査をしました。 
あきらかな異常がみられませんでしたので、かなり高い確率で椎間板ヘルニアと仮診断しました。

薬を使った治療と手術をして治す方法があります。
後ろ足には力が入りにくいですが感覚はしっかりとありますので、まずはお薬を使って様子をみることにしました。

椎間板ヘルニアの難しいところは、手術をするタイミングです。

今年1月に仙台で行われた外科学会で質問をしたことがあります。
一応、椎間板ヘルニアを深刻度に応じて段階的に評価する方法があります。
この評価方法でこの段階からは手術を行うという目安がありますが、僕の少ない体験によりますと、その段階でも自然に治るといいますか、症状が改善することをみてきました。

学会での僕の質問は、椎間板ヘルニアの手術を頻繁に行われている獣医師の先生方4名に同時にさせていただいたのですが、手術をするべきであると言われる段階の子でも、自然に症状の改善があることがありますので、この段階評価以外に手術の適応を判断する評価方法をお持ちではありませんかというものです。

中には少し笑みを浮かべながらお答え頂いた先生もあります。
この評価以外にはありません。
それが共通した回答でした。

椎間板ヘルニアの手術はやや難易度が高く、どこの動物病院でも受け入れが可能なものではありません。上の先生方は、多くの動物病院から椎間板ヘルニアの手術を依頼される先生方です。
そこではおそらく、お薬で様子を見ましょうとはならないはずで、ほぼ間違いなく手術を前提に話が進みます。

しかしながら、うちはそのような外科ばかりではなく、いろいろな子達が来院する一般動物病院ですので、中にはお薬、中には手術をいったようにいろいろな場面をみます。

上の先生方の回答はそのようなものでしたが、2月に行ったアイオワ州立大学で神経外科の先生に同じ質問をしてみました。
すると、かなりの椎間板ヘルニアの犬が自然に症状がよくなるという報告があるとと教えてくれました。
手術のタイミングは外科医の数だけ異なるかも知れないということでした。
僕の体験したことでしたし、僕が求めていた回答でした。

しかしながら、全てのワンコが手術なしで回復するわけではありません。
また、そのような子達はできるだけ早期に手術をした方が成績がよいのも事実です。

未来を予測できないので、この子は薬だけでよくなるとか、手術が必要だとかを見通すことはできません。
ただ言えるのは、手術で悪くなることはほとんどなく、最悪現状維持かほとんどの場合は良くなります。
また、薬で良くなる子でも、手術をすれば歩けるようになるまでの治療時間を短縮できるはずです。

この子の場合は、3-4日間薬で様子をみて、改善傾向になければそこで手術を決断しましょうとお話をいたしました。

はじめ飼い主さんは手術を希望され、でも次の日には手術は避けたいとお話をされ。
これは僕自身が明確な意思決定を飼い主さんに伝えれていないために起こる出来事で、飼い主さんの迷いの原因は僕にあります。

じっくりとご相談をした結果、手術をすることにしました。
なかなかうまく歩けない子をできるだけ早くに歩けるようにしてあげたい。その思いは僕も飼い主さんも共通の思いでした。

MRIという装置で検査をして、いくつかの椎間板ヘルニアが見つかりました。
最も重いところと、との次に重いところの2か所の手術をしました。

手術の後4-5日目ごろから立てるようになり、2週間目の抜糸のときにはよく歩き、少しは走ることもできるようになりました。

保護犬を大切に育ててこられた飼い主さんもお会いするたびに毎回笑顔です。
手術のタイミングは獣医師の数だけあるかもしれないとの回答が逆に僕に決断を急がせてくれました。

もう少しするとお花見も行われるかも知れません。
桜の花舞う水天宮道りを散歩できますね。

日本とアメリカ

この仕事を初めていろいろな手術を行ってきました。

失敗。そう思う手術は幸いにしてありませんが、もっともっと上手になりたいという思いは常にあります。

外科手術は第三者(獣医師)がみた場合、最低でも3か所は指摘できる改善点がみつかるといいます。たとえどんなに上手な獣医師が手術をしてもです。
手術をする毎に毎回他の獣医師に意見を求めることは現実的ではありませんので、自分自身でもっとこうしたらよいのではないかという見方をします。

日本ではなかなか難しのは、大学でもそれ以外でも、しっかりと外科のトレーニングを受けることです。普段行っている手術をもっと上手にできるようになりたいという思いはほとんどの獣医師共通の考えのはずです。しかしながら、実践で毎回改善点を探り、次に活かすしかないことも多いと思います。

そのような中、海外ではとても魅力的なコースやセミナーが開催されます。
それに参加する外国人獣医師のほとんどは専門医です。
専門医とは、獣医師免許を自国で取得した後に専門過程で3年ほどかけて指定の単位をとった獣医師で、希望すればだれにでも開かれている門ではありません。
日本には専門医という制度はないために、海外で専門医になって帰国する場合や、自称(他の人も認めることが多いのですが、)専門医という獣医師もいます。

逆に、海外であれば専門医しか参加しないようなコースに日本人獣医師であれば誰でも参加できることになります。

いろいろと壁もあります。
海外まで行くために費用、時間、そして言葉(英語)。
それを考えると、自己満足の世界なのかも知れませんが、機会をつくって参加したい思いが常にありました。

はじめて参加した海外の外科コースは、2年ほど前にアイオワ州立大学で行われたものでした。それから2年が過ぎて、先月再度アイオワ州立大学の神経外科のコースに参加しました。

前回同様、日本人は僕だけ。
定員25名のとてもアットホームなコースです。
3日間のコースでは、2日目の夜にコースのリーダーである教授の自宅でのパーティーもありました。
南米、ヨーロッパ、オーストラリア、などのいろいろな国からの参加者があり、それぞれの国の事情を聞くこともできました。

僕が留守の間に、日本橋動物病で懸命に仕事をしてくれるスタッフにはいろいろと負担をかけます。
海外留学の経験がない僕が唯一いろいろな国の専門医の方々と同じことを学ぶ機会がある場面ですので、年に1-2回は行きたいと考えています。

13031201

明日の3月8日は

また寒くなりましたね。
東京でも降雪snowがみられましたが、にわか雪に終わりました。
よりいっそう春が待ち遠しくなりました。

明日の3月8日(土)は園田が不在です。
代わりの獣医師が診療を担当させていただきます。
園田は3月9日(日)の朝からおります。

ご迷惑をお掛け致します。

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