« 2014年6月 | トップページ | 2014年8月 »

2014年7月

仔犬が生まれましたよ -柴犬の出産-

暑い日になりました。
当院は住宅地というよりは明らかにオフィス街にありますので、院外に出ますとスーツ姿やワイシャツ姿の方々を多く見かけます。
今日はすれ違う多くの方が暑い!という顔をされていましたよ。

今日は嬉しいことがありました。
出産をひかえてお預かりしていた柴犬が子供を生みました。

飼い主さまは80歳とのこと。
何もできないから預かってほしいという依頼でした。
事前の検査で母子ともに問題はみつかりませんでしたから、きっと安産で何も手を煩わせることはありませんよとお伝えしてはありました。
しかしながらご心配が大きく、お預かりをすることになりました。

出産予定日が近づき、飼い主さんがご面会に来られ、もうそろそろですねとお話をした翌日のことでした。

初産のお母さん柴犬は懸命にお世話をしています。
生まれたご報告を飼い主さんにしますと、すぐにご面会に来られました。

「そうか、お前、お母さんになったんだなー」
飼い主さんは何とも言えない笑顔で頑張ったお母さん柴犬に語りかけていらっしゃいました。
仔犬を一度抱っこされましたが、かわいさよりもこの小さな命をどのように取り扱ってよいのか検討もつかない、そのような様子でした。

離乳までの時期預かりを希望されました。
今後いつでも帰ることができることをお伝えした後で、最長で離乳までをお預かりすることになりました。

赤ちゃんの体重を量ったり、へその緒の処置をしたり、生まれながらの異常がないかを調べたり。
お母さん柴犬は出産の後でも平気でお散歩に行きたがります。
看護師がお散歩に連れ出すと喜んでいつもの散歩コースに駆け出しました。

これからしばらくの間、もしかすると離乳までの間、この子の成長を見守っていくこができそうです。

母子ともに元気。
これも水天宮の神様のご加護でしょうかhappy01

このまま様子を見ようとしましたが - 犬の乳がん -

台風接近中ではありますが、ジリジリと暑いですねsun
木陰はまだ大丈夫ですが、日向には長くは出ていられそうにありませんthink

昨晩のことです。
初めて当院にいらっしゃる方が小型のワンちゃんをお連れになりました。
シニアという年齢になっている子です。
詳しく調べるまでもなく、お腹に大きな腫瘍が見えています。
体重が3kgもないのに腫瘍はゴルフボールほどの大きさがります。
明らかに乳腺腫瘍です。

飼主さんはこれまでかかりつけの動物病院でこの腫瘍についてのお話をされたことがおありのようでした。
無理に長生きをさせようという考えがなかったとのことでした。
腫瘍は見てすぐにわかるほどの物。
わかってはいたけれども、手術をして取り除くことはお考えではなかったようです。
しかし、腫瘍の表面が破けてしまい、出血をしています。
これを見てやはり手術をして取り除かなければと思われたようです。

僕も同じような場面でよく手術をしたくはないというお話を聞くことがあります。
そのような時に、今後どうなるかをお話しするようにしています。
その中で欠かさずにお話しすることは、腫瘍が大きくなること、そして表面が破けて出血するようになることです。

出血が始まりますと、毎日拭いてあげたり、ガーゼなどを当てて手当をしたりがその後ずっと続きます。
特にこれからの夏の時期には化膿の心配もしなければなりません。

その上で何もしない選択をされた場合には、乳がんの表面が破けて出血したらできるだけの手当をしましょうねとお話しています。
そこまでに至っても何もしないことはとても難しいことです。
ジワリジワリと続く出血をそのままにしてお家の中で生活をすることは大変なことです。

飼主さんは手術を強く希望されました。
はじめて来院された動物病院で、これまでやらないと決めていらっしゃった手術を希望されるのはそれなりの覚悟がおありのようでした。

できるだけ早い方が良いと判断しましたので、翌日(本日)行うことにしました。
大きな腫瘍ですが、シニアとは言え、まだまだこれからです。
きれいに取り除いて快適に過ごせるとよいと思います。

麻酔の前の検査を行い、肺に転移などがないかをレントゲンで調べ、身体検査をしてから麻酔をかけました。
ゆっくりと麻酔薬が効き始め、すっかりと効いたところで手術を始めました。

大きな動脈があるところです。
慎重に慎重にすすめました。
数年前ですと早さを求めていた頃もありましたが、最近では早さだけではなく慎重さをとことん考えて手術をしています。

乳腺腫瘍の手術でワンちゃんを亡くされたお母さんから相談を受けたことがありました。僕の中では乳腺腫瘍の手術で亡くなるということのイメージがありませんでしたが、そのご相談を受けてから、明日は我が身というわけではありませんが、慎重すぎてよくないことはないのだからと、これまでよりもとにかく丁寧に手術をするようになりました。

最近は電気メスのデメリットも意識しています。
麻酔中は血圧が低めですので、全ての出血を電気メスで止血できても、術後に血圧がもどるとわずかながら出血がみられることもあります。
そのような出血は自然に止まる範囲ではありますが、想定と異なる事態はできるだけ避けたいと考えています。

今回のワンちゃんにも電気メスは使う訳ですが、重要なところは型どおりに血管を糸で結んで止血しました。

術後の想定外をできるだけ減らしたいと考えましたので。

今はすっかりと目が覚めています。
そして出血も見られていません。
一晩は観察することにしています。

飼主さんは、このワンちゃんの大きくなっていく腫瘍を見ながら心を傷めていらっしゃったはずです。もうそのような心配はありません。
また以前のように過ごすことができそうですよhappy01

顔が腫れました - 根尖周囲膿瘍 -

蒸しますね。梅雨空けが待ち遠しいなか、台風も接近中ですので、きれいに晴れ渡った青空はしばらくお預けのようですね。

京都で仕事をしていたときに同期で仕事を始めた獣医師が開業し、その動物病院のホームページができたとのことで連絡がありました。
→たかやま動物病院へのリンク
たいへん過酷な仕事を17年間続けた末の開業です。
元の動物病院では多くの信頼できる獣医師が多くいました。
辞めるとともに全ての獣医師が元の動物病院とは関わりがなくなりますが、そこにいた獣医師同士は交流が続きます。
今回、唯一の同期入社である高山先生との交流再会がとてもうれしいことになりました。

来院されたのは左頬が腫れて、そこに小さな穴が空いて膿みが出ているワンちゃんです。
この子は他の動物病院から転院されてきた子で、当院に来院されたのは数か月前です。

乳がんが骨盤や肺に転移をしています。
尿道も狭くなっていて、最初の頃はうまく排泄ができませんでした。
尿道に管を入れてオシッコができるようにしていましたが、そのうちに管を入れていたせいか尿道がある程度広がって、管がなくても困らなくなりました。

CTの検査では溶けて小さくなった骨盤がとても痛々しく、転移が認められた肺もこの先あまり長くはないだろうと思わせるものでした。

飼主さんは歯医者さんで、以前にも他の動物病院で歯を抜かなければならないと言われた時に、ご自身でお知り合いに麻酔を掛けてもらって抜歯をされたことのある方です。

しかし今回は状況がかなり異なります。
まず頬を腫らしている歯は左の上の大きな歯(左上顎第三および第四前臼歯)です。
特に第四前臼歯という歯は3根歯という根っこが3本もある歯です。
触った感じではグラつきはありません。
この歯を抜くには3つに分割する必要があります。

そしてそのために必要なことは全身麻酔です。
数か月で20%も体重が落ちてしまってうまく立つことができません。
最高で4kg以上はあった体重が今は1.6kgになっています。

このまま消毒だけで管理しましょうというのが多くの意見かも知れません。
全身麻酔をかけて分割して抜歯して、さらに抜いたところをきれいにして歯茎を縫うということはなかなか決断に勇気が必要です。

飼主さんもあと1か月くらいだろうかと、余命には過度な期待はされていません。
その中での歯の問題です。

選択肢をお伝えし、ご本人が歯医者さんであるので、ご希望に従いますとお話をしました。
その日のうちに、翌日の全身麻酔を行っての抜歯を希望されました。

いろいろな問題点が多い処置になります。
麻酔中に亡くなってしまうこともあります。
とにかく慎重にとの思いがあります。

飼主さんに一応の危険についてのお話をしワンちゃんをお預かりしました。
麻酔前の検査や点滴はいつものとおりに行いました。

当院では幸いにもこれまで麻酔で亡くなったこはいません。
無難な手術だけではなく、かなりリスクの高い手術も行ってきましたが、今回もリスクレベルで言いますと屈指の困難さであることはスタッフ全員が認識していました。

慎重に慎重に麻酔をかけて、腫瘍が転移している肺のことも考えながら歯科処置をはじめました。
まずは歯石を少し取り除き、歯茎にメスを入れてめくります。
その後、歯の周辺の歯槽骨という骨を削り、歯の根っこが見えてきたところでドリルで分割します。

順調にいくと思われましたが、ワンちゃんは顎の関節があまり開かなくなっていまいしたので、ドリルがいつものようには使えません。
小さな隙間からドリルを入れてどうにか分割をし、特別な道具を使って抜歯をすすめて行きます。

血液検査では貧血があり、血小板もかなり少ないこともわかっていましたから、出血には細心の注意が必要でした。

少しずつすすめて行き、はじめに想定していたときより時間がかかりましたが、どうにか終わらせることができました。
抜歯をして抜いたところを掻爬して、頬の穴もきれいにしてから縫いました。
麻酔中の状態も安定していたので、歯石もとり、それぞれの歯を研磨しました。

麻酔から覚めるかどうかという不安もありましたが、かなり安定した覚め方をしてくれました。

飼主さんもいろいろな覚悟がおありだったと思いますが、来院されたときと同じ位の体調で帰ってもらうことができました。

とても困難なものでしたが、ワンちゃんの頑張りにより、無事に予定していたことは全て終わらせることができました。

歯医者さんのワンちゃん。
これからの時間は長くはありません。
しかしながら、治せるところはしっかりと良くなったと思います。
きれいな歯で、少しだけでも快適に過ごせると何よりも嬉しいことだと思っています。

犬猫の診療という仕事 -1-

梅雨明けが待ち遠しいですね。
例年ですと7月20日ごろが関東地方の梅雨明けのようです。
そして昨年は7月6日ごろに梅雨が明けたとのことでした。
今年はどうなるのでしょうか。

この仕事をしていますと、動物達のことだけではなく、そのご家族の皆様のことを知る機会も多くあります。

お一人でワンちゃんといらっしゃることもありますし、ご夫婦で、そしてご家族で、また親子で来院されることもあります。

あるご家庭では猫ちゃんを飼われています。
おとなしくてかわいい、ショートヘアーの猫ちゃんです。
その猫ちゃんの診療にお母さんと小さなお子さんといらっしゃいました。
お子さんが小学校の学童についてのお話をされ、学童というところをあまり知らなかった私に楽しそうに教えてくれた、そんなことがありました。
レギンスにTシャツ姿の小学生はお母さんと同じように猫ちゃんをとてもかわいがる子でした。

お母さんもお仕事がお忙しいようで、少しばかり雑談の中でお仕事のお話を聞かせて頂く機会もありました。

そしてあるとき、猫ちゃんの皮膚に皮膚糸状菌症というものが起こり、薬で治療しましょうということになりました。
このような場合にある程度長めにお薬を飲ませます。
そして皮膚の病変がなくなったところで、もう少しだけ飲んでもらって終了です。

お母さんが最後の確認は往診を依頼されました。
猫ちゃんは病院ではとてもおとなしいのですが、多くの猫ちゃんと同様にお家を出ることが苦手のようです。
治療や検査ではなく、もうお薬を止めても良いかという診察だけでしたので、往診はよい選択だったと思います。

ご自宅に伺って猫ちゃんを診察し、その日の往診は終わりました。
往診に伺うと、猫ちゃんがどのような環境で生活をしているかがよくわかりますし、そして、このご家族が来院されるときにはこのくらいの距離を来てくださっているのだということも体験します。

その日はお母さんだけが対応してくださいました。
後日、お薬を受け取りにお母さんが来院され、娘は自分の部屋で勉強中だったんですよとお話くださいました。
しばらくお見かけしていませんね、と返しますと、もう私よりも背が高くなって。と。coldsweats02

確かにここ数年お見かけしていませんでしたが、もうそんなに。
年月は有情も無情にも流れていくのでしょうから、小学生がいつまでも小学生でいるわけはなく、もう高校生になられたということでした。

当然のことですが、特にお子さんの成長には驚くことがあります。
猫ちゃんは飲み薬だけでちゃんと皮膚病が治り、元気にしています。

犬猫の診療という仕事をしていますと、病気だけに注目すればよいということはないと思っています。
動物達がどのような環境で生活をしているか、お家の方はどのようなお考えをお持ちか、ご両親がお子さまにどのように接していらっしゃるか、などなどを知る機会が多くあります。

このようなことは無機質な問診票で知る訳ではなく、また好奇心で聞き出すようなものでもなく、一対一の信頼関係によって長いおつきあいのなかで少しずつ伺い知るものだと思います。

この仕事は治療対象は動物達ですが、彼らの診療の中で、ご家族の方々に気持ちでお応えする、そのような一面もあるのだろうと考えています。

« 2014年6月 | トップページ | 2014年8月 »

2017年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

iTune