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ことばよりも通じるもの

rain雨が続きますね。
こんな日の後に秋晴れがあると嬉しいんだろうなー、と思う朝でした。

自分が何となく考えていたことを、他の誰かが同じ事を言ったり、本に書いてあったりするのを見つけると嬉しくなるものです。

当院に来られるどうぶつ達の中には、他では暴れてしまって採血もできませんでした。とか、毎回麻酔をかけて治療していました。とか、気性が激しくて触れないと思います。とか、そのような子達が本当におとなしく診察や検査や治療を受けてくれることがあります。

どんな子でも、...そういうことはできませんが、結構驚かれます。
不思議。と、毎回言われる方もあります。

ここには僕なりの思いがあります。
どうぶつ達とのコミュニケーションについてです。

彼らはヒトと同じ言葉を使わない代わりに、感情を鋭く読み取ります。
こちらが恐れていると、そのヒトの感じている恐怖がどうぶつ達に伝わり、どうぶつ達も怖がるようになります。

診察室で診察をしている場面での例です。
診察台にワンコが乗っています。
動物看護師がそのワンコを診察台の上で抱っこしています。
その前に僕がいます。

このときに、どうぶつ達は直接触れている動物看護師のようすを感じ取ろうとします。
動物看護師が緊張していると、その緊張は無意識のうちに自身の筋肉を硬化させることがあります。
このときに、柔らかな腕に抱っこされているのと、少し固くなった腕とは違った印象を受けるはずです。

うちの看護師達はどうぶつ達によく声掛けをしてくれます。
いい子だね、大丈夫だよ。
これはどうぶつ達の緊張をほぐすだけではなく、自身の気持ちにも無意識にはたらくと思います。

いくらやさしくどうぶつ達に接しようとしても、いろいろな場面に対応できる技術がないとやはり緊張は解けません。
気持ちと技術はともに大切な要素だと考えています。

そして僕が真っ正面に立って固い表情で近づくと、これはどうぶつ達に不要な緊張を強いる事になります。

飼主さんがそばでとても緊張されていたり、怖いねー、怖いねー、注射イヤだねー、などと言った声掛けをされるとどうぶつ達は一気に緊張することもあります。

このようなことはなかなか証明し辛いものです。

そのような中、当院の受付でいつも流れているどうぶつの専門チャンネルに、犬と猫のそれぞれの飼主とのトラブル解決番組があります。
これによりますと、ヒトと一緒に暮らすどうぶつ達は、飼主の気持ちを敏感に感じ取っていて、そこを変えることで問題が解決されるところをよく目にします。

先日来られたネコさんのことです。
もともと穏やかなネコさんなので、特別な問題はなかったのですが、やはり治療のときにはやや緊張気味でした。
飼主さんは、何かしてあげられることはありませんか?とのことでしたので、できるだけリラッスクさせて上げてください。と、声掛けのお話や、まずはご自身がリラッスクを心がけていただくようにお話をしました。

僕や看護師達は準備かがしっかりとできていますが、そこに飼主さんにも参加してもらうときには皆でやさしく接することが大切です。

穏やかな雰囲気の中で治療が進んでいきました。
このネコさんは1日おきに何回か通院が必要でしたので、その度に緊張することが少なくなっていきました。
普通は逆です。
毎回緊張が増すことが多い場面です。

飼主さんの声掛けの威力、そしてご自身でもリラ〜ックス、リラ〜ックス、とまるで自己暗示をかけるがごとくネコさんに語りかけていらっしゃいました。

リラ〜ックス、の意味はネコさんには伝わらないかも知れません。
しかしながら、そのときに雰囲気はしっかりと伝わっていて、穏やかな気持ちになってくれることがあります。

気持ちと気持ちのコミュニケーションは言葉と違ってストレートですので、難しいところもありますが、こうして通じていることはとても嬉しいことだと思っています。

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