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心を込めて - 犬の不妊手術 -

とてもよい天気になりました。

外に出て初夏の風にあたりたい、そんな陽気です。


今日の手術予定表に小さなワンコの不妊手術がありました。

年齢は11歳6か月。
特別に変わったことはなく、元気な子です。
ご家族には学校にいくお姉ちゃん達がいます。

生まれて1歳になる前に行うことの多い不妊手術をこの年で決意されたのは、今後起こるかも知れない病気の予防が目的です。
もちろんのこと、もっと早くでも良かったのではないかという声があるかも知れません。そこで僕の場合は、何がおありだったのだろうか。と、考えます。

手術や全身麻酔に対する心配がきっとおありだっただろうと思いました。
子の子がはじめてうちの動物病院に来院されたのは6年前です。
幸いにとても健康なワンコですから、重い病気はありませんが、何かしらご心配後とがあるときには来院されていました。

これまでのお付き合いの中で、手術を決意され、それを託してくださったことには大きな責任を覚えました。
何事もなく安全に終わった今だから、こうして穏やかな気持ちで書けますが、僕にとって不妊手術ほど緊張する手術はありません。

膝蓋骨脱臼の整復手術、骨折の整復手術、前十字靭帯損傷の手術、椎間板ヘルニアの片側椎弓切除術、胆嚢粘液膿腫の胆嚢摘出手術。
難易度のかなり高い手術も日常的に行っていますが、緊張せずに冷静に落ち着いてできる手術です。

不妊手術は違います。
他の手術よりも命の危険があるからです。
大きな血管を操作します。
少し間違えてしまいますと、おそらくは取り返しのつかないことになります。

幸いにもうちの動物病院で手術中に何かが起こって目を覚まさなかった子はいません。これはとにかく慎重に慎重に自分の臆病さをカバーするいろいろな安全策をとってきたからかも知れません。

ワンコの手術をお引き受けするにあたり、手術のシュミレーションをともに、もしものことを想像します。
犬の不妊手術は僕が最も多く行っている手術です。
それでも毎回とても新鮮な緊張感に襲われます。
これは薄れることのないものです。

手術のシュミレーションは、ある程度の作業の様子を呈しています。
獣医師になったばかりの頃からずっとずっと行ってきていますから、今になって、その手術の行程に確認することも手技の中で不安なところもありません。
やってみなければわからないという不安です。

子の子だけではありませんが、手術をお任せいただいた以上、どうぶつ達に何かあってはいけないのです。
絶対に元気にする。
僕に大切などうぶつの手術をお任せくださって、手術中にお家で何も手につかず、心配でたまらないご家族の様子を想像します。
そして手術を受けるワンコのことも考えます。
また、僕の手術を手伝ってくれる看護師達のことも考えます。

今日は年齢的に高齢になりますから、ここまでされなかった不妊手術をお任せくださったご家族のお気持ちに絶対に答えなければならないところでした。

結局不妊手術は毎回無事に終わっていきますが、ここで安心すると次は気の弛みから危ないこともあり得ます。
とにかく慎重に。

今日も丁寧に心を込めて手術をしました。
手術が終わって麻酔から覚めてお部屋でキョトンとしているワンコを見るとホッとします。

残念ながら子の手術の充実度はそう高くはありません。
当たり前のことを当たり前にすれば何も起こらないはずの手術ですから。
1泊してもらって、明日お家に帰りますよ。
ご家族の皆さんの安心された顔は明日見られると思います。

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