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2016年11月

立つときに足を痛めました。 - 犬の股関節脱臼 (FHO) -

かなり久しぶりの更新になりました。

ホームページのリニューアル計画が進行中です。
このブログを残すかどうかを検討中です。
今回は前の更新から暫く振りの投稿になりましたが、これからは休診日の毎週水曜日に更新しようかと考えていまして、できればこのままブログを残すつもりです。

僕がまだ開業をする前から診せていただいているワンコがいます。
いろいろな病気があり、手術もたくさんやって、それでもいつも元気でした。
とても食いしん坊さんということで、お家の方はいつも体重を気にしていました。
お散歩中に近所の方々からいろいろなお裾分けをもらって、ヤクルトももらって。

この子は病院が好きだから、お家の方はそう言ってくださいますが、最近はお家の周りを歩くのがやっとになって、病院の近くまでお散歩ができまくなりました。
以前は病院の前まで来ると、治療の日ではなくても、グイグイとリードを引っ張り、中に入るんだ!という意思表示をいつもいつもしてくれていました。
今回は足を悪くして立てないということでした。
足を伸ばしてみると、とても痛そうになきます。
X線検査を行いました。
右の股関節が脱臼しています。
股関節には靭帯や関節包と呼ばれる組織があり、簡単には脱臼しません。
今回は立ち上がろうとしただけで脱臼したようでした。

まずは全身麻酔をかけて、寝かせた状態で脱臼を元に戻してみることにしました。
ゆっくりと力が抜けていき、クークーと寝始めた頃に、脱臼している股関節を元に戻してみました。
何回かトライしたところで、カクッと入りました。
そして再度X線検査を行い、脱臼が整復されていることを確認しました。

しかしながら、元々簡単には脱臼しないはずの股関節が、ただ立ち上がろうとして脱臼したということには大きな意味があります。
元々かなり問題があったと考えるのが自然です。

お家の方には、またすぐに脱臼してしまう可能性があること、もしそうなったら、手術をする必要があることを説明しました。
次の日も来院していただくようにお伝えし、手術についての概要もお伝えしました。

翌日午前中に来院されたときには、もうすでに脱臼してしまっていました。
いろいろなお話は前日にできていますので、細かいお話だけをして午後の手術に備えて追加の検査を行いました。

このような場合、僕は数名の獣医師の先生に相談をします。
外科、特に整形外科の場合、やり方は一つではありません。
いくつかのやり方があり、どれが最も良いかを決めかねる場合もあります。
そのいくつかの方法で手術ができないと、そもそもの選択肢はありませんが、このようなときに、相談して、他の先生ならどうされるのかを聞くことにしています。

これは決して恥ずかしいこととは思っていません。
特に海外であれば、誰にも相談することなく、一人だけで決めてしまうことは少ないようです。
この子には糖尿病の病歴があり、年齢も高めです。
そして最も気になることろは、普通に立とうとして、股関節脱臼をしたということです。
僕も、相談をした先生も、FHOという手技を選択しました。
これは大腿骨頭切除という方法で、本来は股関節脱臼の治療ではありません。
しかしながら、股関節脱臼でこの手術方法を選択されることは非常に多いと思います。

飼い主さんにもこのことを説明し、その後どのようなことが可能になるのか、また不可能なことはどのようなことかをお話しました。

麻酔をかけて、ゆっくりと寝かせたところで手術を始めました。
脱臼している股関節ですので、FHOの展開は難しくありません。
特別に問題なく終了し、出血も少なめにできたと思います。

これからは、どちらかというと脱臼していた足のことよりも、糖尿病のことを考えないといけません。
食欲は術後から旺盛です。
それは嬉しいことですが、血糖値がなかなか良い数値に抑えられず、しばらくはつきっきりの入院が必要です。

まずは手術は乗り切りました。
ちょっとお腹が空くかも知れませんが、元気になるためだよって言いながら、食事制限もしています。

また走って来てくれると嬉しいなーと期待しながら。
術後の経過、そして1日経った様子を飼い主さんに報告し、食欲は何も心配ありませんと言うと、笑って安心されていました。
このまま笑顔で退院の日を迎えたいものです。

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